ありがとう!山と温泉

20120527富士山


富士山火口スキー

ここに書いた情報は富士山でのスキーを推奨するものではありません。
2012年5月27日の私の見た情報であり、これを見て富士山に登る方には自己責任があります。
先週・今週と二回連続で富士山に登りましたが、数名の方が滑落されています。
ゲレンデスキーで上級者であったとしても、山スキーでは初級者です。
この時期の富士山は夏山ではなく、まだ冬山ですので、十分にご注意願います。


昨年より雪が多いです。日本最高所の石碑がまだ埋もれてます。
火口の動画は写真をクリックして下さい。


22:00自宅出発〜3:40富士宮口到着(450km)〜5:20登山開始〜8:20八合目〜10:50剣ヶ峰11:28〜11:30富士山火口底12:00〜12:50富士山頂浅間神社奥社〜13:50新六合目(ここから歩行)〜14:20登山口

は登山、はスキー


今回は、先週の苦い経験を生かして準備しました。
@荷物は軽量化する。バーナー等も持たない。食糧はすべてパンのみで、一時休憩の時に食事する。
Aクトー(スキーアイゼン)を準備する。
B行動開始は早く、理想的には朝4時には出発する。
C可能ならば富士山火口にも入るが、登り返しの時間が読めないため、無理はしない。
D水は1Lだけにする。(何かあったら困るので結局2Lにした)
E乾杯用のビールは1本だけにする。しかも危険を考えてノンアルコールビール。これはかなりの決断を要した。


これは行かないとダメでしょう!
台風が気になりますが、長い帯状の高気圧が張り出していて、風もほとんど吹かない状態が長く続きそうです。


一時間ほど睡眠を取り出発。
本当は朝4時には出たかったのですが、もう5時20分です。
昨年に比べて、登山口のバリケードが厳重。
しかしボーダーやスキーヤーにはそれを乗り越えていきます。
一割くらいは通常登山者。


朝日に輝く富士山です。山頂は近いように見えるのですが・・・
ここで早くも誤算。
雪面がアイスバーン状態で、スキーシールがききません。
スキーを背負って富士山を登らねばならなりません。
スキー靴で長時間歩いた事がないので、不安が残ります。
行ける所まで行ってみましょう。


こんなストックが発売されていました。
ブラックダイヤモンド製。
後で調べてみたら、ブラックダイヤモンドではなく、後付けのようです。メーカー不明。


上を見上げ、ひたすら登るのみ。
8合目を過ぎ、空気が薄くなってきます。
ペースダウン。


今日もアイゼンが無いと難しいです。
このアイゼンはスキー靴用に買ったわけではないですが、スキー靴にも付ける事ができて助かりました。
バックルに注意しないと、紐が届かなくなります。


9合目を過ぎて下を見ると・・・こんなにも人が登っていました。
写真では斜度がゆるく見えますが、
固いアイスバーンのために、スリップしたら止まらずに落ちていく傾斜です。
一番手前の登山者はピッケルで確保しながら登ってます。


二年ぶりの山頂です。
前回はスキー靴の歩行に自信が無く、登山靴でスキーとスキー靴を背負って登りました。
今回はスキー靴で登る事が出来ました。
まだ12時前なので、火口へ降りて登り返しで2時間かかっても大丈夫と判断。
火口に向けて滑り降ります!


剣ヶ峰を少し降りてから火口に入るバーンはこんな感じです。
素晴らしい斜面です。
上部は風のためにアイスバーンになっていましたが、その下からは軽くしまった新雪感覚です。
快適そのもの。斜度は最高で25度くらいでしょうか。


斜度はこんなです。
大きな岩は虎岩です。

噴火口での動画です。



火口底で記念撮影。
360度岩が切り立っています。
左の岩が虎岩。


火口の一番低い所にノンアルコールですが、お神酒を上げます。
ついでに犬の散歩。


さて、登り返しです。
アイゼンを付けて、スキーを担ぎます。
標高差が240mですが空気が薄いので、2時間を覚悟して登ります。
しかし50分程度で登ってしまいました。嬉しい誤算です。


登り返して、いよいよ富士山を下ります。アイスバーンです。
天候はそろそろ高気圧圏内から外れ始めたようです。風が強くなってきました。
風で飛ばされた雪片が顔に当たると痛いです。
写真はベンチではありません。山頂の鳥居です。まだ、こんなに雪があります。
ここから次々とスキーやボーダーが滑りおります。
ハイレベルの滑りをする人達ばかりで、見ているだけで勉強になります。


楽しい楽しいスキーでしたが、アイスバーンから、段々とザクザク、そしてザクンザクンのザラメになりました。
6合目の小屋前まで無事に降りることが出来ました。
ここからスキーを担いで車まで30分程度。


富士山、有難うございました。
改めて富士山を見ると、でかい山だな〜、あんな急な斜面をスキーで滑る人がいるのか〜
などと思ってしまいました。

1.富士山は天候が最優先する。高気圧のど真ん中に入る時以外は、風でかなりの苦戦を強いられる。
2.富士山側面の雪質は上部はアイスバーン、それ以下はザラメ、特に下部のザラメは強烈に重い。
3.富士山お釜の上部はアイスバーン、それ以下はパウダー気味の新雪。
4.登攀用に冬用アイゼンは必携。
5.気温はまだまだ氷点下。登る時刻が早いと、最初から全面アイスバーン状態で、シール歩行では難しい。
6.お釜の登り返しは一時間程度。予想以上に早く登った。
7.登っている途中、睡眠不足でふらつく場面があり、アイスバーンでは危険だった。睡眠はシッカリと取ろう。
8.滑りは前回に教えて戴いた滑りを行った。安全第一の確実な滑り。
9.富士山の頂上のイラスト。富士山本宮浅間大社のHPより、参考まで。


温泉は再び諏訪湖SAで入りました。