黒が先? 白は後?

囲碁の話ではありません。

12月に入り、書き初めの練習が本格的に始まりました。毛筆に限って言えば、これまでの大きさ「半紙」とは違い、縦長の「条幅」に書くため、文字のバランスがとても難しくなります。その分、達成感も高まります。

冬休み期間中は、家庭での練習も大切です。そこで、気持ちよく・満足感が生まれるための毛筆練習について、少しだけお知らせします。

▼新聞紙(それに変わる大きめの紙)を敷いた上で練習します。
【子供が、らくらく寝られるくらいの広さです。】

筆は、なるべく下を持たせます。えの下の部分を持つと、自然に筆が立ち、力強い文字になります。
【目印になるもの、セロテープや輪ゴムを付けてあげるといいです。】

筆や硯は紙の右側に置く。人間は左側に目(意識)が行きがちで、無意識に左側に置く子供もいます。
【左側に置くと、墨を含んだ筆が、真っ白な紙の上空を飛来することになります!、】

▼「一枚一心」一枚の紙で練習すること(心を入れる)は、1つに決めるといいです。現在3年生の指導をしていますが、最初の一枚は、筆先だけ意識させます。
【基本的に、筆先は上・左から離れません。筆先が真横に向いていたら、声掛けをしてください。】

▼「かたち」を意識させます。私たちは、紙の上に点が3つあるだけで「人の顔」をイメージすることができます。これを「シミュラクラ現象」といいます。ということは、私たちは、全部ではなく一部分を見て形をイメージしています。
【文字全体のバランスを意識しながら書くことができるように、文字に合わせて、正方形・台形などの形を鉛筆で紙に描いて、その中で文字を書いてみます。その際、文字の配置が詰まりすぎないように声がけをしてください。】

力強い文字にするための、簡単なポイント
はらいが上向き! 左払いや右払いなど、集中が切れる瞬間があります。ここで、払いの先が下にたれている場合が結構多いです。最低下にたれずに、ほんのちょっと上向きにするだけいいです。】

【同じ太さの線はありません。横棒の一という漢字でも、太い-細い-太い と変化を付けると、随分とマッチョな文字になります】
【名前も作品の一部。名前の配置がよくない。書き方が乱暴。最後まで集中です。】
文字がきれいだなぁと感じるのは、「中心の線」が見えるかです。
【いよいよ終盤戦です。1枚書いて乾いたら、2つ折りにしてみてください。折り目がやじろべえの軸として、文字の左右が釣り合っていますか。もし釣り合っていなかったらずらすように声がけをしてください】

黒派?白派? 黒い部分(墨の部分)だけ見ていては、「文字が詰まった感じになりがちです」。黒い線にのみ意識が行きすぎると、線と線の間の「白い部分」(空白)に目が届きません。
【よく、線と線の間に、鉛筆などで、○(まる)を描いて意識付ける方法がありますが。これは、お子さんの練習の状況によって判断してください。黒部分(線)の練習をしている時に、白部分(空白)のことを言われても、うまく出来ません。「一枚一心」が大事です】

▼「量より質」 めあて(一枚一心)をもってから筆をもつくせをつけたいです。原則 7±(プラスマイナス)2【1回の練習で集中できるのは、最大9枚程度(5枚以上)! 人間の集中力はそれほど続きません。集中しないで書いた時は、文字があれてきます。まず、はらいの穂先がバラバラになってきます。ジェット機のようにサーッと動かしている証拠です。その日はやめましょう。 だたし、何度も言いますが、あくまでもお子さんの状況をみて判断してください。】

筆は髪の毛のように扱ってください。
【大筆は、きれいな水を入れた「バケツやビン」の中で、回して洗ってださい。洗いすぎたりすると、人の髪の毛のようにダメージを受け、「抜け」落ちます。筆に含まれている水分を拭き取るために、練習用に使った習字が三を幾つかに折りたたみ、吸い取ってください。

小筆は、水の中で洗わないでください。穂先がばらけてしまい、繊細な文字が書けなくなります。さっき、大筆を拭き取った際に使った紙。この紙の水分を含んでいる部分に、小筆の先を何度も「当て」てきれいにそろえてください。

 

 

尚、以上説明した方法は、習字塾に行っていない・一週間に一回しかない習字の学習で、【どの子も・簡単に・上達が実感できる方法】として、取り入れてるものです。

習字塾に通っている子供には、専門の方の指導で上手くいっている現在のやり方をするように伝えてきました。参考までに。