特定非営利活動法人アビリティ燕 当法人は知的障害者が地域の中で自立生活できるよう支援し、知的障害者の暮らしやすい街づくりに関する政策提言活動などの事業を行うことによって、社会全体の利益の増進に寄与することを目的とする。
〒959-1261 新潟県燕市秋葉町1-9-7
TEL 0256-66-0003
■代表のあいさつ
■創立者
 長岡与四郎について
■活動内容と目的
■沿革
■寄付金募集
■アクセス地図
 
NPO法人アビリティ燕の創立者 長岡与四郎について

アビリティ燕の由来
燕市で活動する特定非営利活動法人「アビリティ燕」のご紹介

代表理事 長岡 与四郎

私達アビリティ燕は、知的障害者が燕市民の中にとけ込んで、市内の工場に勤務しています。その人達になお一層良き職場環境のもとにと1999年6月、特定非営利活動法人を設立して活動を行っている法人です。寮生15名は一生懸命に会社の仕事を覚え、練達の士となるべく日々勉強に励んでいます。
それはこれから迎える人生に、温かい家庭生活を築ける様な結婚をして、なお一層燕地域の人となり、より良き生活を築かせたいのです。
その為に一ヶ月に一度ずつ班をつくり、「特別養護老人ホームつばめ福寿園」の草取りをして労力奉仕等の仕事もしています。これからは、高齢者のご家庭の草取りや部屋の掃除、買出し等してさしあげたいと計画しています。また、私達は土曜日と日曜日には「カラオケ大会」をやり、腹から精一杯の声を張り上げて歌っています。
また、お茶の会ではお茶の飲み方や礼儀作法を習い、朝の挨拶や日常の挨拶がよく出来る様になりました。畑も百坪ほど借りて耕作し、茄子やトマト、ししとう、ピーマン等を収穫して夕食の食卓を賑わしています。四季折々に行事も計画されており八月には寺泊へ海水浴に行きました。九月にはみんなの趣味による作品展、十月は映画鑑賞会、十一月は秋の旅行、十二月はクリスマス会・忘年会と各月々盛り沢山のお楽しみ会を計画して楽しんでいます。十二月の「クリスマス会」には忘年会もかねてアビリティ燕全員で料理班、会場班、接待班、余興班と役割分担し、取引先、市内の仲間達、雇用主、コロニー白岩の里の先生方、緑風園の先生、市役所の係員の方々、それに寮生のみんなで80人くらい会費を出し合って集まり、カラオケ大会や取引先の方の余興、保護者たちのかくし芸、先生方のオハコ等を披露し、それはそれは大変愉快な一日にしています。
また、無駄遣いをしない様に倹約してお金を貯め、親に頼らずに結婚し、家庭を持ちたいと考えています。
そのため先生方と相談して貯金や生命保険をかけて頑張っています。早く不景気が去って、一人でも多く職業が見つかり私たちの仲間に入って来られる事を望むアビリティ燕です。これからもっと各会社で働くことの出来るよう通所作業所を昨年の9月から創設し、現在4名仲良く指導員のもとに勉強し、働いています。


越後ジャーナル
1996年11月27日の記事 より引用


知的障害者とともに―25年前から共同生活の場づくり

知的障害者が施設から出て、最低限の指導援助を受けながら就労し、地域社会での自立を目指す共同生活の場「グループホーム」が近年注目を集めているが、燕市秋葉町三の長岡与四郎さん(73)は25年前からボランティアとして、知的障害を持つ人たちが共同生活を営む場を設け、就労の援助や生活の相談に乗っている。


現在、長岡さんはコロニー福祉の家の代表として同市寿町、水道町三の2か所にグループホームを設けており、合わせて9人の障害者が就労しながら共同生活を営んでいる。
長岡さんは「燕市にあと3か所、このような場所を造りたい。現在そのために県と交渉を進めています」と話す。
長岡さんが知的障害者のための共同生活の場を設けたきっかけは、25年前、事業をやめ、それまで雇用していた3人の知的障害者を親元に帰そうとした時にさかのぼる。
「親は就職口もないので、面倒をみてはもらえないかということでした。本人たちにも『帰るか』と聞いたら、『お父さんのところにいたい』ということでしたし」と振り返る。


最初はアパートを借りていたが、15年前に寿町のアパートを、5年前に水道町三のアパートを長岡さんが買い上げた。家賃は一ヶ月につき1人15,000円だが、それらはアパートの管理費などに使われる。
25年という長い年月、ボランティアとして知的障害を持つ人たちが地域で暮らす援助をしてきたことについて、「やってやろうというのではなく、これを私が一つやってみると、相手からこういうふうに反応があるというように、だんだんと両方から相乗効果が出てきてね」と、気負いはない。今は17年、20年と長く共同生活を続けた人が、他の人たちをひっぱっていくまでに成長した。
「もう、ああしなければいけない、こうしなければいけないと言わなくてもよくなりました。困ったことがあると相談に乗るくらいです」
それでも、二ヶ月に一度は全員で集まってパーティを開き、料理やゲーム、カラオケを楽しむなど心をくだく。


またこれからはグループホームのメンバーだけでなく、障害を持っていても働きたいという人が、一緒に楽しめる場所を造りたいと積極的。
また、週休二日制が進むにつれ、全員まとまって休日がとれない土曜日に暇をもてあますことがないようにと、5、6年前からグループホームのメンバーを雇用している事業所の早川和敏専務とともに写真を教え始めた。
昨年は燕市の市展にグループホームの2人が入選、今年もグループホームの2人と長岡さん、早川さんが入選を果たしている。写真のほかにも長岡さんはその人の個性にあった趣味を勧め、それぞれが貼り絵やプラモデルの組み立て、マンガを描くこと、ジグソーパズルなどの趣味を持つようになった。来月の12日からは、市民ギャラリーつばめで、初めてのメンバーの作品展を開く。
就労の面について、生涯の程度により働くことのできない人もいるが、働きたいと意欲を見せる人もいる。しかし、親が反対する場合もあるという。施設にいれば安心という気持ちが働くからだ。そんな時、長岡さんは就労先の面倒は自分がみると力づける。「その人のよさを見い出してあげれば、市や国の世話にならなくとも自立して生きていくことができます。一時期だけでこうだと決め付けないで長い目で見て欲しい」と語る。
障害を持つ人の能力を認め、信頼する長岡さんの視点が、長い年月関わってこれた原動力なのかもしれない