曹洞宗 東龍寺
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曹洞宗 東龍寺

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ミニ法話

平成19年1月

愛犬コロに教えられたこと

 私は、朝晩、我が家の愛犬コロとの散歩を日課としています。お寺の後ろは山で、奥に人家がないので、よく、つないだ鎖を放してあげます。いつも繋がれているものですから、しっぽを振って走り回り大喜びです。ところがある日、放して少し先を歩いていたのが、走り出して戻ってこないのです。いくら呼んでも駄目です。結局、数時間後、お寺から歩いて15分ほど離れた犬の生家から「コロが、来てますよ。」と電話があり、引き取りに行きました。

 その翌日、「コロ、今日は脱走したら駄目だぞ」と言い聞かせて放したところがまたもや走り出して戻って来ません。数時間後やはり、生家から連絡が入り、引き取りに行く始末。

 そして三日目の朝、私は頭に来て「コロ、もうおまえとは散歩になんか行ってやらないぞ。」と怒鳴ろうとしたら、何と私の顔を見てしっぽを振って待っているではありませんか。そのとき、ハッと気づかされました。「私はまだ昨日一昨日(きのうおととい)のことを根に持って怒っている。でも、おまえは、私を信じて、散歩に連れて行って貰うことを素直な気持ちで待っていたんだね」と。

 人間は、過去のことにこだわり続けて、その思いをだんだん強くしていくことが多々あります。特に、身近な日々接する人との関係の中で自分にとっていやな事があるとその事に執着してしまいます。そして、親が子を殺したり、子が親を殺したりする最悪の事態も起こるのではないでしょうか。自分中心の考えを止めて、瞋(いか)りの心を鎮め、気持ちを素直にして、相手の今と接することが大切だと愛犬が教えてくれたように思います。

 その後、私は、コロと散歩の時は鎖から放さずに行っております。

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