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8/11(金)須田にないのは、山だけです。

 今日は国民の祝日「山の日」です。昨年は、全校登山の下見で登山をしました。90分間の登山でしたが、偶然一緒になった外国の父子の会話が「すごい!」と思ったことが今でも忘れられません。それは…。
(回想です)
■先に腰を下ろした息子を厳しく叱る父親
 どう見ても、その男の子は年長児でした。5合目あたりで疲れ始めて、とうとう登山道にあるベンチに腰を下ろして、自分のリュックから水筒を取り出し飲もうとしていました。
 その時の父親の言葉が、「二人でも僕たちはチームなんだ。全員が登ったことを確かめてから、リュックを下ろすのがマナーなんだ。」でした。正直「はっ。」としました。学生時代に登山部に入った私は、南アルプスや北アルプスなどに「連れていってもらった」経験があるからです。その時に口を酸っぱくして言われたことが、その父親の言葉とぴったり重なったからです。
(引き続き、回想です)
■遅くなったら、置いていっていいのか!
 昨年の全校登山の際、こんなことがありました。同じチーム(異学年交流グループ)で登っている途中で、腹痛や足の痛み等で、チームから離れた子供たちもいました。事前打合せで、引率教員の中から同行する役割を決めておいて対応しました。先に例に挙げた2名のチームなら「待って一緒に行動する」ことも出来ますが、10人のチームでは難しいです。でも、問題は「その後」だと思いました。
 遅れてやっとゴールに着いた子供を待っていたメンバー。全員揃ったところで「お昼の準備」を始めたグループがありました。きっと疲れたお腹もすいた子供もいたと思います。それでも待っていた。途中で別れて意に反して「置いていった」仲間を包むことこそ、須田小の全校登山の目的です。行動は一緒ではないが思いは一緒を感じる場になってほしいと思います。須田にはない「山」で貴重な体験を、今年もしてほしいと思います。
 http://www.ginzado.ne.jp/~sudasyo/hima/hima/20160929.html
■子供の成長のチャンスを見逃さないためにできることを。
 「無いことをあったことにする」も「あったことを無かったことにする」も問題ですが、もっと注意しなくてはならないのは、「あるのに無いと思い込む」ことだと思います。毎日の繰り返しで「いつものこと」として「無意識に処理済」にしてしまっていることは、実は多いと思います。無意識なので「無い」と思っているかもしれませんが、たくさん有るはずです。というのは、「もっと早く気がついて手を打っていたら…」という新聞記事が、あとを立たないからです。
 このこと(今目の前で起きていることにある価値に気付くこと)に対応できるために、生活指導主任を中心にした豊かな心部会という組織で、あることをしてもらっています。それは、日々の子供同士のトラブルを「子供の成長のチャンス」ととらえ、早い段階で正確につかみ、具体的な指導に生かすことができるためのツールを作成することです。たたき台は示しましたが、形だけで終わらない実効性のあるものを作ってほしいと思っています。A4用紙の半分程度で、ぱっと見て判断できるようなものを作ることを目標に、夏季休業中に作成して、2学期以降の指導に生かせるようにしていきます。
 文部科学省のホームページをみましたら、同様なこと(どうも事例集みたいですが)作成部会を立ち上げ検討に入っていることを知りました。同じ危機感を持っているのかと感じました。
 ただし、これは、大人(教師だけでなく保護者)が、目の前の子供の成長を助けていくための「御札」に当たるもので、「万能薬」ではありません。保護者と一緒に子供の成長を応援する「御札」のようなものですから、毎日毎日描かれていることを意識して、努力することで実現するもの(御利益)です。