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日本で二番目の山
「北岳」へ
2002/9/16〜20


新津市在住のジョーさん(カナダ出身)に誘われて
登山口で一泊、山で二泊してきました。


ことの起こりは新津のALTジョーから「山に登らないか?」と誘われて、オッケーオッケーと返事したのがきっかけなのでした。ジョーが見せてくれたのは海外で出版された日本の登山のガイドブック、地図はシンプルだけど、字数が多く、ありとあらゆる情報が事細かにしるしてあり、(わかんねけど)ジョー曰く四泊五日の旅だそうな。。。

目指した山の名前は北岳、富士山の次に標高の高い南アルプスの山でございます。そこから縦走して間ノ岳(あいのだけ)、塩見岳、赤石岳を登って、さわら島へ下山する予定。そこは静岡県!「じゃあそのまま海行ってうんめの食って、ついでにジュビロの試合見て、タミヤ見学して・・・で甲府までヒッチハイクで戻るんだ?スゲ〜!!!」出発する前ってテンションが変に上がります。

そんな訳で、登山の経験は日帰りのみの俺と、カナダからメキシコ半島までトレッキングで走破したカナダ野郎ジョー・ヘルテンの山登り日記の始まり始まり〜。

九月十六日(月)の夜ジョーを迎えに新津のアパートへ、九時過ぎに出発、土手を通って三条へ、高速は使わずに長岡〜小千谷〜十日町〜津南〜飯山〜長野へ、深夜1時頃善光寺のまん前に路駐して旅の安全を願いお参り!それから19号線を走って松本へ。途中で一時間ほど睡眠して出発、車が軽なのでシフトをかえる度に寝ているジョーの長い足とぶつかってすっげジャマ!こればっかりは仕方が無い。塩尻を過ぎた辺りで力尽きて道の駅で朝まで睡眠。七時前に起床して出発。天気は雨。諏訪〜茅野〜白州〜韮崎経由でやっと甲府に到着。ガイドブックによるとバスで登山のスタート地点広河原まで行くので、車を止める駐車場を探したのだけど、さすが県庁所在地の駅前、どこも馬鹿高くてとっても4〜5日なんか止めてらんねで、山梨交通の人に聞いたら「芦安にバス停があるからそこなら・・・」と言うので、バスの時間も近いし、急いで芦安へ向かう事に。で無事にバスの停留所に到着して、事情を話し、隅っこの方に車を置かせて頂きました。職員の女性に「何日後に戻って来れるか解かりませんが・・・なはは」とお伝えして荷物を準備してやっとバスに乗りホッとしました。山深い峠道で揺られて、何時の間にか寝てしまい、広河原まですぐに?到着。天気は小雨。バスを降り歩いてテントを張れる広河原山荘へ移動。受け付けをすませ、ついでにケータイも充電させてもらい、テントを張り、そうそうにメシを食って、明日からの登山に期待と不安を感じながら、晴れることを祈ってまだ明るい夕方六時頃さっさと睡眠。



カナダからのALT ジョー

三日目17日(水)

日の出と同時に起床して簡単に食事を済ませ、濡れたテントを片付けて、両側を山に挟まれた狭い空を見上げれば雲の切れ目が!まあ元々予報で天気が回復する事を知っていたので、「当たって良かった・・」とホッとしながら最初は俺、ジョーの順で歩き始めました。

そうそう昭文社ってとこが出してる地図を自分用に買っておいて正解!コースタイムや水場、山荘の位置が当たり前ですが記してあり、安心して歩けます。で、多少コースタイムより早いペースで歩きつづけ、白根御池小屋を経由して肩ノ小屋へ着いたのが11時過ぎ、そしてお昼前に無事北岳山頂(3192)に到着〜!!!記念写真を撮り、濡れたテントや寝袋を広げのんびり休憩、ガスが流れて晴れ間は時々って感じ、雲は低い位置に漂ってて景色は今ひとつ。



後が北岳。このサングラスは着替えの時に紛失!

北岳頂上。章





でも最高デス!13時になり歩く準備をして、濡れたのもなんとか乾いてくれて一安心で午後の部へ。目指すは間ノ岳です。下山は慎重にゆっくりと。ほぼコースタイムとおりに北岳山荘へ到着、ここでようやくお金を払ってトイレを使用!あんまり休まずスグに出発。17時頃やっと間ノ岳に登頂!この時点で日は傾いてます・・。ここでも写真を撮り、こんな時間になってやっと寝る場所の心配を始めてお馬鹿な俺たち!まあなんとかなるでしょ!って下山開始。このへんからすれ違う人は居なくなり、登山道を歩くのは俺らだけ、森林限界を超えてるので視界を遮る木などはなく、月明かりとライトで歩き続け、ガレ場でビビリながら(血の気が引くよ)、三峰岳を通り、左手にうっすらと農鳥岳(らしき山や小屋の明かり)を確認しながら慎重に、一歩一歩ってまさにこれ!辺りは既に真っ暗闇、途中から低木があり、ガレ場よりはハッキリ(当たり前)とここが登山道だと認識しながら、熊ノ平小屋を目指してジグザグな道を色々考えながら歩き、ようやく熊ノ平と書いた道標を見つけ、「はぁ〜」と溜息。地図によれば小屋があるはずなんけど、見当たらず、不思議に思いながらも疲れてるし俺はさっさとテントを張り、ジョーは荷物を減らす為テントは使わず寝袋とタープのみ、丈夫な奴です!二人で夕ご飯を食べ、なんで12時間以上も歩いてんだろ?と自問自答しながら厚着をして睡眠しました。






四日目18日(木)

テントの中から登山道を歩く人の会話が聞こえてきてお目覚め。会話の内容は、寒いのに寝袋だけで外に寝ているジョーに感心している様子!でテントから出てみると生地についた夜露がうっすらと凍ってるの!寒かった訳だ、ジョーの鼻は真っ赤です。。天気は晴れ。

ゆっくり準備して出発。50メートルも進まないとこに熊ノ平小屋が現れて、すぐ休憩!

デッキからの眺めは素晴らしく、針葉樹の林が何処までも続いてる感じ。ここでまた気持ちのお金を入れてトイレを使用。ジョーに「気持ち!」って表現を伝えるのに苦労して(適当に「ワンコイン」とか言えばいいのか?)再出発!この辺からはそれほど高低差の無い林の中を進み割と楽ちん。何人かとすれ違いながら北荒川岳に登頂、地図に書いてある大崩壊ってのが生で見るとスッゴイ迫力。少し休憩して出発。ほぼコースタイム通りに塩見岳(3052)に登頂。ここからの下山がすっげえ怖かった。だいぶ歩いて遠くに塩見小屋を発見、なんかほっとして歩きつづけます。でようやく小屋への入口の段差を降り、小屋の人に挨拶したら「ここはテントはれないよ・・・」だってさ!挨拶の返事がソレだよ!馬鹿じゃね?てか馬鹿でしょ。テント張るつもりなんかねっての!無視して荷物を降ろして近くの水場へ。地図には往復35分と書いてあったのだけど、そこまで時間はかからなかった、但し高低差があって結構疲れてしまった。一息入れて出発。樹林帯の中を一時間ほど歩き、まだ明るかったのだけどかなり疲れてしまったので、スペースを見つけて今日はここで終了。テントを張る為に石や木を退けてると昔のお菓子の箱や飴のゴミがかなり落ちてるの。そうそう、ここは国定公園?でテントは禁止されてて、それを知ったのはさっき!罪滅ぼしにそこら辺のゴミを拾って、食事をすませ、日が暮れる前に早々に就寝。




五日目19日(金)

この日も目覚めは通り過ぎる登山者の話し声。テントからでて、飯食ってテントを撤収し、

離れたとこに寝てたジョーのところへ、ジョー曰く夜中にネズミがやって来てバックパックの網の部分に入れてた食べ物をカジカジされたそうで、見事に小さな穴が。。。で、本日も元気?に出発。歩き始めてスグに尾根にでて、日も当たって暑いので服を脱いで体温調節、

今回の旅ではレイヤリング?ってのを経験しました。それにしても段差の登りだとなんとも無いのだけど、降りると足全体のショック機能が低下して、ひっで難儀んて。一日目の長時間歩行がたたりましたな。ゆっくり歩き続けて本谷山(2657)を通過して三伏峠小屋(2560)へ到着。ここで、自分のコンディションと食料事情を考慮して下山を提案!ジョーがOKしてくれたので豊口山コース登山口を目指して下山を開始。ここからがまた長かった・・。コースタイムよりも遅いペースで一段一段、降りても降りても下界は見えず、ほんっと長い。で、お昼頃無事に下山終わり!!!疲れと達成感と予定を繰り上げた残念感が入り混じって、ちと元気?裸足になってブーツを乾燥させて、最後?の自炊を楽しみました。一時間ほど休んでる間には、これから登る人、この辺をトレッキングに来た人がちらほら。これから山梨の芦安まで戻る話をしながら、楽しいひと時。この時点ではヒッチハイクか、電車か。まあ、一日かけてゆっくり戻れればいっか?って笑ってたの。で、ここからの鳥倉林道(舗装)がすっっっっげな〜げんて。。例えると志賀の熊ノ湯から湯田中まで?とか苗場から湯沢まで(大袈裟か?)、まあこんな感じなんて。とにかく歩き続けてて、さっき歩いてたトレッキングのオジサンとか帰りに乗せてくんねろっか。ってジョーと話しながら日差しを避けながら、2時間くらい延々と。途中に小さな流れと言うか滝があり、頭を突っ込んでリフレッシュ。その後も歩きつづけ。そしたらようやく車が走ってきて、もう道の真中で「スイマセ〜ン!!!」て。そしたら例のオジサンで、オジサンも俺たちになかなか追いつかないなあと思ってたそうで、で、快く乗せていただけました。乗るなりチューハイを渡されて「頂きますッ!」って。で、これから山梨の芦安へ戻る話をしたら、なんとこのオジサマ神奈川の方でこれから帰るから、芦安まで送ってくださるとおっしゃってくだされまして!イエス!!!なんて付いてるんだ俺たちは!オジサマ曰く自分も何度も車に乗せてもらって助けてもらったから。だって。オレも今度のせたげよっと。ちなみにここは長野県の大鹿村で御座います。ふもとへ降り、国道152号線を一路北上します。景色と会話を楽しみながら順調に進み、あっという間に諏訪へ。ここで、なんとゆうことでしょうか、諏訪から韮崎まで高速を使ってくださるなんて!かなり恐縮しながらも、遠くに富士山が見えたりして、バカいい気分!「あの山は深田久弥が・・・」とか詳しい話を聞きながら、車は高速を降り、見覚えのある景色に感慨もヒトシオです。


絶対明日になると思ってたのに、日が暮れる前に芦安に到着!ありえん!ほんと助かった。なんかヒッチハイクとはいえ申し訳無いので、とりあえずオジサンに住所を尋ねたのに遠慮して教えてくれないの。そうこうしてたら停留所の職員の女性が中から出てきて、いきさつなんかを話したりして、なんかいい感じです。ここでオジサンとお別れです。ふかぶかと頭を下げて御礼。いっちゃいました。ちなみに車は湘南ナンバーのショートボディの緑のRAV4です。一期一会ですな。で、お姉さんにもお礼を言って、ちかくの温泉を教えてもらい、そこへ移動。何日ブリのお風呂?最高です。「セブンス・ヘブン」なんつって似合わない英語でジョーとリラックス。風呂から上がって目指すは甲府市、腹減りました。

久しぶりに聞くラジオからは北朝鮮の拉致の話題。たまげて凍りついて、おまけにジョーに上手く伝えられないし。入ったラーメン屋でもニュースを見て、、山に居る間にすごい展開になってたなって。気を取り直して、本日のお宿はジョーちゃんご推薦のカプセルホテル!なんかわからんけど、そうゆう展開になりひとまず甲府駅前へ。四日ぶりに戻ってまいりました!さっそく路中し交番で尋ねてみたら、そんなホテルは甲府に存在しないそうな。あら残念。ジョーも残念がってました。じゃあどうする?って事になって、行けるとこまで行く事に。で、出発。20号線を進み、途中から141号線を通って清里・小海・佐久、こっから18号線で小諸・上田・更埴へ、ジョーはとっくに就寝中ですが、なぜか眠気が来ない丑三つ時。なじみの403号線で(新津からどこまでの区間?)須坂・小布施・中野へ、ここから292を通り飯山で117号線へ。そろそろ眠くなってきました。栄村の道の駅で本日の移動は終了!とっくに日付は変わってました。トイレで歯を磨き、コンセントで携帯を充電。ジョーは気を使ってくれて、敷地内の公演のベンチへ寝袋と共に移動。彼の足のニオイはワールドクラスなんでホッとして、おやすみなさい。



六日目20日(土)

少し遅めの七時過ぎ。外の明るさと騒がしさで起床。適当にありものを食ってさっさと出発。津南・十日町と通勤時間帯なので流れがゆったりしてますな。腹が減ったのでコンビニで補給。で、行きと同じように高速は使わずに小千谷を通って長岡へ、スキー仲間の佐藤君ち(バイパス沿いのジョモの裏のデッカイお豆腐やさんが彼の家)に顔を出して、母に豆腐のお土産を購入。で十時過ぎに無事に我が家に到着!一息ついてから、ジョーを送るのに出発。ジョーと別れてからの田上までが、また長い。

そんな訳でお疲れ様でした。

終わり。( 日本で二番目の山「北岳」へ2002/9/16〜20 )