第3幕
「足手まといにて候」

	姫、きかん坊の八海山の八つ峰がようやく姿をあらわしたでござるな。
	爺、やっぱきかん坊は八つ峰がないとしまらないね。
	姫、さようでござるな。

	姫、左から荒沢岳、灰の又山、兎岳でござるな。
	爺、この縦走路は今年になってから人気がでてきたんだよね。
	姫、さようでござるな幾つかの山岳会が藪を刈り払って登山道を整備したらしいでござるな。

	姫、手前から兎岳のその後が平ヶ岳、そしてその後が燧ヶ岳と至仏山でござるな。
	爺、らくちんコ−スの平ヶ岳を登ってみたいな。
	姫、爺は鷹ノ巣から2度日帰りで登っておりますがすばらしい展望だったでござる。しかし術後はちょっと自信がありませんな。楽ちんがいいでござるな。

姫、。山頂で展望を楽しんでいると少し空模様が怪しくなってきたので残念でござるが下山することにしたのでござる。

姫、くだりでは足手まといにならないようにしっかりついていったのでござる。

	姫、健脚の粟ヶ岳さんははやかったのでござる。
	爺、またしても足手まといじゃん。
	姫、さようでござるな空模様が気になるのでござるがいつものようにくだりも不得意な爺の足が前に出なくなってきたのでござる。

	姫、しかたがないので先にいってもらったのでござる。
	爺、やっぱりね。
	姫、なさけないでござった。

	爺、こんな写真撮ってる場合じゃないだろ。
	姫、さようでござるがつい。

	姫、しかし心やさしい粟ヶ岳さんはお花を撮るふりをして爺を待っていてくれたのでござる。
	爺、こまったもんだね。
	姫、さようでござるなまったく。

姫、日向山にて改めて中ノ岳にさようならをしたのでござる。

姫、ますます空模様が怪しくなってきたので急いで下山したのでござる。

	姫、しかし3合目で心配していた雨が降りだしてきたのでござる。爺は諦めて雨具をきたのでござるが粟ヶ岳さんは雨具は着けづに先に下山していったのでござる。
	爺、やっぱりご迷惑をおかけしたんだ。
	姫、さようでござるいま。少し早く下山できれば雨にも会わずにすんだのでござるが。

	姫、ようやく雨の中登山口のたどり着いたのでござる。もう粟ヶ岳さんは籠場にて着替えておりました。改めて今日のお礼とお詫びもうしたのでござる。一緒にお風呂をお誘いしたのでござるが粟ヶ岳さんはお風呂には入らずお屋敷にむかったのでござる。
	爺はもちろんあのさくり温泉だったんだ。
	姫、さようでござるなそして、今回も粟ヶ岳さんにお世話になってしまった中ノ岳でござった。

第１幕
「助っ人登場にて候」

第２幕
「二人だけの中ノ岳にて候」

第3幕
「足手まといにて候」