「合 掌」
                                     長岡市 慶徳寺副住職 金子 重典 合掌
 

あるアメリカの御婦人達が大本山総持寺にお詣りをしたときのお話です。ご案内
いたしました老師が合掌の仕方を説明し、みんなに合掌をしてもらいました。す
るとアメリカの婦人達は、お互いに合掌の姿を見合い、「美しい」「美しい」と
嘆声をもらしたそうです。合掌の姿を初めて見る外国人の方は、実に美しい姿だ
と感心したのであります。

合掌という字を調べますと、

がっしょう{合掌} インドでの敬礼法の一種。両手の掌を合わせ、十指を揃え、相手に尊敬の念をあらわすこと。云々・・・・・(禅学大辞典 大修館書店)
たなごごろ{掌} (「手の心」の意。「こころ」は中心の意)1、手の裏面。手のひら。たなうら。云々・・・・・・(国語大辞典 小学館より)
と、言うような意味合いがあります。

私たち日本人は、手を合わせるということは日常のことで、特別に感じた事はない人が多いかと思いますが、その字を辞書で調べますと、とてもすばらしい意味がある事に再確認されました。

合掌の姿が美しく見えると言うお話を聞き、そして、その意味を調べて考えてみますと、「相手に敬いの心を持つ心そのものが美しい」と、言っても良いのではないでしょうか。