一期一会について

平成二十一年四月三十日 於 加茂法話会


一期一会の一期は、人間の一生、一会は一度きりの出会いのことです。一は素早さ、粛然。


①中国の宋時代、邵雍(じょうゆう)、皇極経世書、哲学的思索。

一期は、天地が循環推移して、原始状態に復帰するを一期=一元。十二万九千六百年

三〇年を一世。十二世を三六〇年。三六〇年を一運。三〇運すなわち一万八百年を一会。

一元は十二会。 一元は十二会で三六〇運つまり四三二〇世 十二万九千六百年

運の尽き・三六〇年 一会・一万八百年 一期・十二万九千六百年で一元と同じ。

 

②刹那・一/七十五秒 約0.013秒 怛刹那(たんせつな)=一二〇刹那=一・六秒

臘縛(ろうばく)六〇怛刹那=一分三十六秒 須臾(しゅゆ)三〇臘縛=四十八分 

昼夜=三〇須臾=二十四時間

月=三〇昼夜=二十九日十二時間四十四分二・八秒(満月から満月まで)=30×6+29×6=354 

朔望月(さくぼうげつ) 朔(=新月)から次の朔、または望(=満月)から次の望までに要する平均時間。

一朔望月の平均の長さは約二九・五三日。

 

③行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」『方丈記』鴨長明作 建暦二年(1212)成立。

《訳》行く河の流れはとどまらないものだが、なおその上にもとの同じ水ではない。

 

④『正法眼蔵随聞記』に「念念止まらす、無常迅速なること、眼前の道理なり」

ひと時の止まる事のなく流れています。前の一瞬が切れる前に後の一瞬が来ています。そして、絶対に止まる事もなく、繰り返しもありません。 蛍光灯・・・点いていると錯覚。

道元禅師は、大晦日と元旦との関係をについて刻々と移り変わる時の流れの中で、ゴーンと打ち鳴らされる除夜の鐘を境・・・どこにある

 

⑤総ては一度きり、一回きりしかありません、繰り返しがきません。一瞬一瞬が真剣勝負なのです。ぶっかったもの、その仕事、その時間を最高に生かす、時間的に今に徹する。

 

⑥お釈迦様の物差しで、考えると私達の行動は、宇宙全体は無限の幅をもった行動になります。

  この一元的な世界に立って、自分を見れば、自分の動きは同時に宇宙全体の動きともなります。

 

その時、その物を 自分自身も最高に生かして行く、日常生活の中に深いものを捕らえる。

 

⑦悔いのない人生を送るには、まづ、無常という事を自覚する、再び繰り返す事ができないことを 「心のたましいに徹して自覚せよ」と道元禅師はいうのです。

 

⑧何としても大事なことは、まづ自分が、自分の進むべき道を、しっかり捕まえることです。云うまでもなく、この人生を再び繰り返す事はできません。大切なこの人生です。お互いこの一瞬一瞬、一日一日を大事にして行きましょう。宗教の極意はそれしかありません。

 

正壽寺住職 呉 定明合掌