供養の心

定光寺 乙川文英

平成十七年二月十八日 加茂法話会

『仏遺教経』より

汝等比丘、悲悩を懐くこと勿れ。若し我れ世に住すること一劫するとも、会うものは亦た当に滅すべし。会うて而も離れざること終に得べからず。自利利人の法は皆具足す。若し我久しく住するとも更に所益なけん。当に度すべき者は、若しは天上人間皆悉く已に度す。其の未だ度せざる者には、皆亦已に得度の因縁を作す。自今以後、我が諸の弟子、展転して之を行せば、即ちこれ如来の法身常に在して而も滅せざるなり。

『妙法蓮華経如来寿量品偈』より

自我得仏来 所経諸劫数 無量百千万 億載阿僧祇 常説法教化 無数億衆生 令入於仏道 爾来無量劫 爲度衆生故 方便現涅槃 而実不滅度 常住此説法 我常住於此 以諸神通力 令巓倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心 衆生既信伏 質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命 時我及衆僧 倶出霊鷲山 我時語衆生 常在此不滅 以方便力故 現有滅不滅 余国有衆生 恭敬信楽者 我復於彼中 為説無上法

『伝光録』洞山悟本大師章より

最初南泉の会に参じ、馬祖の諱辰に値う。斎を修するの次いで、泉、衆に問うて曰く、来る日馬祖の斎を設く、未だ審し馬祖還て来るや否やと。衆皆対ること無し。師出でて対えて曰く、伴の有らんを待ちて即ち来たらんと。

『伝光録』雲居弘覚大師章より

翠微、羅漢を供養す。某甲問う、羅漢を供養す、羅漢還て来るや否やと。微曰く、爾毎日箇の甚麼をか喰らうと。