カメノキにつくペアと♂
特に今年(2007)集中して採集したヒメオオクワガタについて、少し私なりに感じた事をお話させて頂きます

ヒメオオクワガタの発生時期や最盛期そしてピークといった事は、他の方々のHPや文献で紹介されていますので、皆さんは既に
ご存知かと思うので、それについてはお話ししません。

ここでは、ヒメオオクワガタの行動パターンと飛翔、そして繁殖について私が感じた事をお話します。


先ずは行動
ヒメオオクワガタの成虫の採集は昼間(昼行性の為)のルッキング採集が主な採集方法と言えるでしょう。
では、ヒメオオクワガタは何時、行動して木につくのか


良く昼間の時間帯に浮いてくると言われています。
夏場は気温が下がる時間帯・初夏と秋は温度が上がる時間帯に動き始めホストの木に登ってきます。
しかし全ての個体がこのような行動で活動している訳では無いようで、浮いてきた個体と思われる成虫を採集したのは全体の数%に過ぎません。

朝早くに採集に行ってもヒメオオクワガタは既にホストの木についています。
そうすると夜に殆どの個体が活動しているのではないかという事が推測出来ます。

ではヒメオオクワガタは歩行のみで行動しているのか
それとも飛翔して行動しているのかと言う疑問にぶち当たります。

私は7年・8シーズンの間オオクワガタをライトトラップで採集してきました。
その中にヒメオオクワガタの♂と♀を数多く採集しています。
ヒメオオクワガタも♀の飛来が多く♂は少ないのですが、その中で、私のMyギネスとなっている54ミリの♂も採集しています。

上記の事を踏まえて、ヒメオオクワガタの行動は歩行+飛翔と言う形で行なわれホストの木に移動していると考えられます。

ここで更なる疑問が浮かびあがってきたのです。
飛翔での移動の場合、どの程度まで飛んでいくのかです。

次ぎはヒメオオクワガタの成虫をルッキングで採集したときに感じた事
先ずは♂の行動パターンについて

はオオクワガタの♂と同じで縄張り争いをして、勝った者が♀を獲得しています。
当然より大きな♂が自分のDNAを受け継いでくれる♀を得る事が出来る訳ですが

その後、その♂♀は何処へ
良い餌場には多くの個体が集まり、そこに♀も集まります。
大きな♂はその餌場を縄張りとし多くの♀と交配し子孫を残しているのではないかと考えています。
♂は採集されたり、より大きな♂に負けたりしない限り、ある一定期間は餌場となるホストの木に常駐しているのではないかと推測しています。
ホストの木の周辺(例えば木の根本付近)に居て登ったり降りたりを繰り返して餌を食べ(吸い)繁殖相手の♀を探す(待つ・見つける)のでは

マーキングしてそれを実証したいと思っています。

では♀は如何なのか
ライトトラップでも証明されたように、良く飛びます。
したがって飛翔して餌場に移動していると考えられます。
その後、♂と交尾し産卵場所へ移動するものと思われます。
但し発信機でもつけない限り追跡調査は不可能ですが
!!

さて最後にルッキング採集をしていて気付いた事
ヒメオオクワガタのついている場所(ポイント)・最盛期には、あちら此方でヒメオオクワガタを見つける事が出来ますが
その中でも一級ポイント(何時もヒメオオが付いている)が存在します。
この場合、決まったパターンが存在しているように私は思います。
それは発生木と思われる立ち枯れが近くに必ず存在している事です!!
立ち枯れ
(発生木の間隔が狭ければヒメオオクワガタはその周辺に密集し、間隔が広ければ散らばってポイントが点在している様です。

上記の事から推測できる事!!
♂は発生木と思われる立ち枯れ近くのホストの木(餌場)に移動して繁殖相手の♀との出会いを待つ(探す)
♀は小さい体を活かし飛翔と言う手段で別の発生木
の近くのホストの木(餌場・出会いの場)へ移動して♂と出会い交尾をして子孫を
残しているのではないかという事です。
なので発生木と思われる立ち枯れを削り、材採集を行なう行為はヒメオオクワガタの繁殖に多大な影響を及ぼすのではないかと私は思います。

只、これは厭くまで私一人の推測でしかないので・・・・
今後は自分なりに納得の行く答えを出したいと思っています。



寅造
by
無事にペアでネットイン!!
柳に付いてる♂
ヒメオオクワガタは標高800m以上の高地に多く生息しています。
特に1000mを越えた辺りから個体数は増えていきます。
普通種と位置付けられていますが、人間が近づける場所は限られる為
その姿を目にする機会は少ないと思います。
採集方法には3種類程あります。
1)春・秋の材割採集
2)夏から秋にかけてのルッキング採集
3)ライトトラップによる採集

その中でもルッキング採集は高原の空気をいっぱい吸いながら
季節の移り変わりを感じて採集できるので最高の採集方法と
言えるでしょう

又、採集時のネットインするまでの緊張感がたまりません!
是非、皆さんも高原の貴婦人と呼ばれているヒメオオクワガタ採集に
出かけてみてください
!!


ヒメオオクワガタのルッキング採集の魅力!