合気道へのきっかけと今
               四段 野 村 雅 幸 
 私が合気道と出会ったのは一五年前のことでし 
た。きっかけは、四十代半ばに近づき十年後の自 
分の姿、形、動作を考えたことでした。それまで 
の私は冬にはスキーを毎週のように楽しんでいた 
だけでその他のシーズンは全く体を動かすことが 
ない生活でした。               
 小中学校の頃は剣道に夢中になり気持ちよい汗 
をかくのが好きな子供でした。年を重ねる毎に楽 
をする事を覚えてしまいすっかり運動から遠ざか 
っていました。剣道の再開を考えたのですが体力 
的に無理であろうと思い武道の中で何かないかと 
思案しておりました。             
 たまたま三条市教育委員会主催の各種スポーツ 
教室の一つに合気道初心者教室がありこれに興味  
を持ったことがそもそものきっかけでした。この 
初心者教室は三条合気道会が教育委員会の要請に 
より実際の指導を行っておりました。野水副会長、 
岩本(現理事長)さんの指導のもと半年間体を動 
かしていました。(現在は教育委員会とは何の関 
係なく三条合気道か独自にて五月〜一一月の半年 
間初心者教室を開催)。            


 当時抱いていた合気道のイメージは女性や子供 
でも簡単に出来る武道でした。ところが実際にや 
ってみるとこれがどうしてなかなかなもので体と 
考えが一致せず動けません。実はこの出来ないこ 
とに驚き、出来ないことが自分の中で面白く、こ 
れを何とか出来るようになろうと(転換すら難し 
く)合気道にはまっていったのでした。またそれ 
が今日まで続いている源だと感じております。  
 数年前より岩本理事長の手助けとして他の会員 
ならびに初心者の方々を指導する立場となりまし 
た。指導をしていますと自分の動き、説明が相手 
に理解されているのか心配な時もあります。しか 
し私自身の合気道修行の中では興味、向上心を失 
わないよう心がけて行き、他の人にも伝えること 
が出来ればと思っております。週二回九十分の稽 
古ですがこれが今後の自分にとって色々な意味で 
糧となるよう利用できたらと思います。最後に、 
人を教えるという事は自分にとって逆に教えられ 
ている事だと考えるようになってきました。これ 
が又、実に面白い。