あっ、あの時の?!。

8月19日仕事を片付け逢魔ヶ時から明日の準備にとりかかった。
しかしこの頃雲行きが怪しい。
天気が急変するのだ。
さっきまでカンカン照りだった天気が、急に土砂降りに雨が降って来るのだ。
何か妖気すら感じられる・・・。
「まったくどうなっているのだ・・・。」
私は夕食の為仕事場から自宅へ行こうと玄関へ向かった。
「うわっつ!!」
そこには見覚えのあるあの鬼蜘蛛が立ちはだかっていた!

鬼蜘蛛が立ちはだかっていた!

「いひひひひ、待っていたぞえ!!」
「お、おまえはあの時の・・・・。」
「そうじゃ!!あの時は惜しくも取り逃がしたが今度は、覚悟をせい!!」
捕縛糸が飛んで来た!!避ける事が出来ず手が絡め取られた!!

捕縛糸が飛んで来た!!

「どうじゃぁ!!これで動けまい!!」
「う〜っつ!!くそ〜!!」
私はもがく事すら
出来なくなっていた・・・。
「これで最後じゃ!!」

「どうじゃぁ!!これで動けまい!!」

「これで最後じゃ!!」
鬼蜘蛛の鋭い毒牙がキラリと光った!!

鬼蜘蛛の鋭い毒牙がキラリと光った!!

「しまった!!」これでおれも最期か!!今までいろんな事があったな〜!!思いでが走馬灯の様に瞼に甦った。

しかし、それで冷静さを取り戻したのか、指がまだ動く事に気づいた!!
「よ〜し!!まだ勝てる!!」
私は渾身の力を動く指に集注させた!!
捕縛糸がゆるむのが感じられる。


った〜!!」勝ったー!!
「どうだ!!参ったか!!」私は動く指で捕縛糸を引き裂き逃れると同時に妖怪鬼蜘蛛の咽喉元を押さえ込んだ!!

「捕った〜!!」

咽喉元を押さえ込まれた妖怪鬼蜘蛛は逃れようと妖術を使って来た。
しかし苦しいのか妖術もすぐに解ける。

「え〜いいっ!!くぞ〜!!」妖怪鬼蜘蛛は声とも成らぬ声をあげた。
「もう人間に危害を加えないか?!」私は問うた。
妖怪鬼蜘蛛は苦しそうに「わ”かった!!」と了承。
しかし私は「なに?ばかった?バカだと?」
妖怪鬼蜘蛛が降参したのを知って、わざとからかってみた。

もう妖怪鬼蜘蛛は妖力を失って元の鬼蜘蛛に戻っていた。
今まで人々を苦しめた悪鬼が嘘のようである。

元の鬼蜘蛛に戻っていた。

不意に涼しい風が頬をかすめた。
もう夏も終ろうとしている様に蜩蝉の擦れ声が微風に乗って流れて行った・・・。


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