懐かしい思い出の、我が郷里の川。


4月1日(晴れ)

この頃、仕事の休憩時間に私は散策に出かける。

春の息吹きを体に感じつつ、車を走らせる。
目指すは、幼い日、毎日通ったあのポイント。

9歳の頃、命がけで潜るとそこには、モンスターが群れていた。

次の日、学校に行くと廊下に立たされた。
同級生がいいつけるのだった。

それでも、おれ達は素潜り止めなかった。
たとえそこが、遊泳禁止の危険水域でも・・・・。

いつか、あのモンスターをこの手に納めるまでは。

あれから、31年・・・・。
目の前になつかしい風景・・・・・。
あの頃が蘇える。

親友の顔があの日のまま、思い浮かぶ。
人生最高の日々。

毎日ケンカに明け暮れ、連戦連勝。
天才ひでちゃんが、野生児ヒデに生まれ変わった日々。

懐かしい川面は黄昏色に輝き、昔のように、この川と楽しもうと、
その全貌を惜しげも無く私に開放し尽くし、遥な記憶の渦中へと誘う(いざなう)。

よし!望む所。
私は鯨石の川面に勝負を挑んだ。
ここは、この川の一番の難所。しかし、昔より穏やかになっていた。

第一投、糸ふけを取る。
トイッチング、すぐ来た!
ぐんぐん引き込む、強烈な引きだ。ただ者でない事は、すぐに判った。
太い流心に潜り込む、ラインは18ポンド、ぜったい取れる。
しかし、強い魚だ弱らない、なんだろう?
オオヤマメだろうか?
30年前の、記憶が蘇える。大ヤマメの群れだった。
やっと浮いて来た、「あれ、へんだぞ。」「ななんだ〜?」
「イワナだ〜!」こんなところに?
やっと、寄せて来てキャッチした。
なんと、それは正真正銘 イワナである。アメマスではない。
それも、45cm、1kgオーバーの。
「ぶったまげたな〜こんな所に!」


友人に頼まれてたので、キープした。
1人でも、渓流の素晴らしさを知ってもらいたいた為である。
腹を出してまたおどろいた。
なんと、キングサーモンそのものである。
オレンジ色の、その身の色は、まるで瑪瑙(めのう)のように鮮やかで飽きない。


このあとしっかり燻製になってもらったが、
ものすごい脂肪の量で、キングサーモンでもここまで脂肪は乗っているまい。


みんなで分けて食べました。

まるでマスの様でしたが、やはりイワナ独特の味はありました。




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