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コラム「作るぞ「ケヤキ丸太輪切り時計」」

「手作りデコイと木製品 坪源」ではオリジナルの木製品を作っています

なんでケヤキ丸太輪切り時計なの?

 

そもそも、何でこんな商品を作ろうかとしたきっかけは、今をさかのぼること去年の冬。


 (有)坪源は冬季の暖房を「薪ストーブ」でとっています。今時珍しい物を使っていますが、木工所ですから、燃料には困らないわけでして....市内の木工所のほとんどはこの方法で暖房しています。ところが近年の不景気が影響して、生産量が落ちてくると、とうぜんストーブ用の燃料も少なくなってきます。しかし新潟の冬は容赦がない。

倉庫積まれた丸太の輪切り

 あらかた燃やせる燃料がなくなりつつあった、春まだ浅い3月はじめ頃。ストーブの近くに燃料用としておかれてある物体を私は発見した。それがこれ。現在、丸太時計の材料となったケヤキの端材である。
 「燃やすのか、これを?」
 「こんなやっかいな材料、製品の形に加工する手間のほうが大変だ。売れる見込みもない。それなら燃やして暖をとった方が処分する手間も省ける」
 このリサイクルやリユースが叫ばれている昨今、なんという剛胆な発想をする社長だ.....あきれてものがいえん。
 そんなわけで、商品を何か考えるから「燃やすのだけは、やめてくれ」と頼みこむ。
  頼んだはいいが、こんな燃やすしか思いつかない様な材料で一体何ができるのか?(その前に、何をするために、こんな訳の分からない材料を買い込んだんだ、うちの社長は?)


 そんなある日、東京で「ホビーショウ」があるという情報を得て、勉強がてら行ってきた。その会場のあるブースで売られていたある商品を見て、インスピレーションを受ける「これだ!!」それは「焼き物皿の時計」皿の部分を輪切りの丸太にしてみたら結構いけるんじゃないか?
 そんなわけで完成した「ケヤキ丸太輪切り時計」です。


それではどのような工程で作っているか紹介します

ハンディサンダーで表面研磨

 まず、丸太の皮の部分をとります。そして、木工用作業台(材料を万力で押さえ、作業性を高める優れ物...構造は簡単なんですけれどね)にセットして、大工用のハンディー電動カンナで表面の荒削り、その後仕上げにハンディーサンダーでペーパー掛けをします。


次に時計のムーブメントをセットする穴をあけます

 これには坪源が墨壺製作時代(私がものごろつく前からある)に使っていた「掘り機」を使います。

大きくて機械にかからない、困った丸太

 さて、セットしよう...あ、丸太の直径がでかすぎて、掘り機の万力に挟めない......実はこの状態で数ヶ月、丸太時計の製作をあきらめていたのでしたが、ある日突然天啓がひらめく(←大げさな)
 そうだ、挟めないんだったら、挟める万力を自分で作っちゃえてなわけ。

自作万力

 自分で作った万力がこれ。まあ、この仕事にかぎったことでは無いのですが、新製品を作る場合、その製品を作るための道具を作るということが結構大変なのですよ。逆を言いますと、そういった道具を作れるようになったら、職人として一人前...といったところでしょうか。(なんか、かっこいいぞ!!)


バフ研磨で仕上げ

 あとはお馴染みの円盤形バフで外周を整えて、オイルフィニッシュ。

時計の針を付けて完成

 ムーブメントをセットして、針を付けたら完成です。


 最近は中国製の時計などが格安で大量に入ってきていますので、雑貨店やアトリエに時計を新製品提案しても歓迎されないんですよね〜そりゃそうだ、スーパーで子供用腕時計が、おかしコーナーにて500円で売っていました。スゴイ時代だ.....
 でも、一つくらい、どこにも売っていそうにない時計をインテリアがてらお部屋の隅に飾ってもいいんじゃないですか?ペンションとか、お洒落なショットバーなんかに似合いそうですね(←自画自賛だよ、それって)そういうことで、ご注文はこちらから。