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コラム「ビッティー君を作ったよ」

何か作るのではなかろうと思わせる図面

ファックスでおくられてきた妙な鳥のイラスト

しばらくすると石膏で型どりしたと見られる立体オブジェの写真が送られてきた

「これはなに?」
「俺が作るんだよ」
おお、やる気満々の社長。
そう、それがこの巨大な鳥オブジェ「ビッティー」だ。
東京は麹町か新宿御苑前にあるカフェレストラン「ビットカフェ」の店頭を飾るであろう木製オブジェです。
ようやく完成しました。

このサイトのトップページを飾っているビットカフェのマークの所にカワイイ鳥がとまっているでしょう。
ソレです。

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ファックス送信されてきたビッティー君のイラストを原寸大の大きさまで拡大コピー。
これを型紙にして木取りされた材料に当たりを着けます
....なんと、この時点でクレームが!!「ビッティーのまつげですが、四本ではなく五本です」....そうなんですか?

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社長の机の上に置いてあった展示台の設計図、っていうか走り書き。
私もそうだけど正式な図面なんか描けないもんね。
コレを先方にファックスしたらしいですが、先方さん、こんなので本当に出来るのか心配じゃなかったか?

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完成サイズにあわせて木取りをした材料に頭の当たりを墨着けしたところ。この線にあわせて帯鋸で丁寧に切っていくのだが、今回はその前にまつげ部分の彫刻を入れます。
それにしてもでかい材料だ。
普通ならこのくらいのサイズの無垢材は手に入らない。細かく切られた材料をいくつも接着して大きいサイズにする。

 久しぶりのコラムでは当社で請負、製作となったこのビッティー君の製作過程の写真をアップしました。
 今までも一ヶ月以上トップページに写真がありましたが、実はあれは仮モデル。たかだか全長20センチほどのものです。本番に作ったこちらは全長約50センチ...たいしてかわらないかって?
実物を見てもらえばわかりますが仮モデルにくらべたらかなりでかい。単純に大きさが二倍になれば表面積は四倍、体積だったら八倍....仮モデルが20センチで本物が50センチということは2.5倍。体積じつに15.6倍....重量200グラムなら本物の重量は3125グラム...コレを手でもちあげてサンダーで形を整えるのだから、重い!! え、そんなでもないかって。だってこれを何時間も持ち上げながら回転するサンダーに押しつけるんですよ。切削抵抗なんかがとんでもなくかかりますから...社長全身サロンパスだらけ。

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まつげを彫刻刀で彫っているところ。まちがえないで、まつげは五本だよ〜
今回は材料がまだ四角のうちにまつげ先彫刻しました。頭の形をつくった後だと彫りづらいんですよ。

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社長愛用の彫刻刀と工具...工具はまあ、ショボイですね。あとクラフト用のリューターは私の従兄弟から借りてきました。高いんですよ、これ....(買えよな)

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頭と鼻。一体の材料から削りだしもできるのですが。予算の関係上ムリ。実際削り出すだけで5〜6倍値段が高くなるでしょう。
そこで悪い人がぽっきり折って持って行かないよう、それぞれ心棒を中に仕込んで接着しました。

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胴体。この時点ではしっかりバランスが取れていて自立していましたが、指定イラストの位置に頭を取り付けたらこけちゃいました。

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頭と胴体を接着して、土台に接着。完成!!土台をつければちゃんと自立します。あたりまえか。

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 仕上げについて。
本番のビッティーは屋外に展示されるので、耐久性を増すためにウレタン仕上げをしました。とはいえ雨風にさらされたら1〜2年くらいで表面はボロが出始めるでしょう。そうなったら修理しますからビットカフェさん、坪源まで送り返してください。
う〜ん。個人的には室内で大事にして欲しいな...そういえば仮モデルを作って納品したときはウレタン仕上げではなくてドイツ製天然素材の仕上げ剤を使ったんだけれど、ひび割れてしまったようです。おかしいな?こちらでは何ともなかったのに。
よくよくかんがえたら犯人は「冬」じめじめしとしと日本海側に比べて東京など太平洋岸では湿度0パーセントの空っ風〜!!こりゃひび割れますって。鉄やプラスチックじゃないんだから。ちなみにその後送り返された仮サンプルを見てみると割れ目がピッタリ閉じてました。それほど湿っているのか?新潟の冬は。

とまあ、いろいろ大変でしたが。先日めでたく納品しました。
どうやら「新宿御苑前店」の方に飾られるようです。
ビットカフェ近辺の方は是非見に行ってください。
そして是非触ってみてください。
支柱がちょっと高いのでお子さんは、だっこしてもらってください。
さわると、きっと幸せになれます。癒されます。
あ、でも盗んじゃダメよ〜閉店時間になったら片づけるそうです。
ビッティー君本体は支柱においてあるだけでボルト止めはしてないんです。
もっとも盗まれないよう「カギ」がついてありますが。
それはともかく
ビットカフェさんが店舗を全国展開してそのお店全てに子のビッティー君が飾られたら...
いやまあ、なんと壮大な狸の皮算用。