仏陀の説いた「教え」とは

平成二一年五月二十五日(月)

五泉市 ようこくじ永谷寺 吉原 とうげん東玄

■テーマ 「縁起」=「いんねんしょうき因縁生起」の略。「因」は原因、「縁」は条件。

仏教の根幹をなす思想の一つで、世界の一切の出来事は直接にも
間接にも何らかのかたちでそれぞれ関わり合って(しょうきしょうめつ生起消滅)

消滅変化しているという考え方を指す。

 

「これ此あればかれ彼あり、これ此生ずればかれ彼生ず、これ此なければかれ彼なく、これ此滅すればかれ彼滅す」

 

「すべて生ずるものは滅するものである」

 

「縁起を見るも者は法を見る、法を見る者は縁起を見る。縁起を見る者はほとけ佛を見る」
               ー「あごんきょう阿含経」(仏教経典中最古の経典)からー

 

「十二因縁」(じゅうにし十二支縁起ともいう)

 

一、むみょう無明…迷いの根本としての無智で、四諦・縁起等の正しい世界観・人生観を知らないこと。

二、ぎょう行…無明による誤った善悪の行為、その行為が繰り返されて習慣力となったもの。

三、しき識…無明、行による習慣力を担っている識体。

四、みょうしき名色…名は精神的なもの、色は物質的なもの。色声香味蝕法の六境。

五、ろくしょ六処…六つの感覚知覚。眼耳鼻舌身意の六根。

六、そく触…六つの感覚知覚に、それぞれの感受対象が触れること。

七、じゅ受…「蝕」から生まれる喜怒哀楽等の感受作用。

八、あい愛…渇愛。苦を嫌い楽を渇望熱愛する根本的欲望。

九、しゅ取…えんお厭悪するものを捨て愛楽するものを取ろうとする取捨選択の行為。

十、う有…「取」の行為が繰り返されることによって生ずる習慣力・性癖、または性格、人格としての存在。

十一、しょう生…右の性格を具備して生まれて来ること。

十二、ろうし老死…生まれた後に種々の認識経験をなし、老い死ぬ等の苦悩を受け愁・悲・苦・憂・悩を感じること。