高祖道元禅師、七百五十回大遠忌に随喜して

平成十四年五月十五日 加茂法話

一、          本年は永平寺を開かれました高祖道元禅師さまの七百五十回大遠忌。

五十年に一度の勝縁。

 

二、          道元禅師のご生涯

  三歳で父を、八歳で母を失う。普通であれば、いじけてしまうところ、

  「志の至らざることは無常を思わざる故なり」無常の風をエネルギーにされた。

十四歳・・・比叡山で出家得度

二十四歳・・中国へ真実の仏法を求めて旅立つ。

三十四歳・・京都府宇治に、日本初の本格的禪の道場「興聖寺」を開く。

四十四歳・・越前の地頭・波多野義重公のすすめで、福井の地へ入る。

五十四歳・・一二五三年(建長五年)九月二十九日、生涯を終える。

 

道元禅師のみ教えのすばらしいところ

  二十四歳から、二十八歳まで、中国へ修行に行かれた。

  志を同じくして、同行された方が、臨済宗開祖栄西禅師の高弟・明全様

  ところが、明全様は三年目の春、志半ばで亡くなられた。

  しかし、道元禅師は、明全様を生涯の師匠である天童山の如浄禅師ともに最大の敬意をもって、「先師」とお呼びしている。

 

四、道元禅師は学道用心集の中で

  「半途なるも始めより得たり、全途にして辞することなかれ」

  と、禅僧の修行のあり方を示しておられる。

  道は途中であっても、歩みの中に証りが表れているのであるから、明全様の一生は決して不運な生涯ではなく、輝かしい歩みの生涯である。

  『人生思うようにいかなくてもそれぞれの状況で前向きに生きていくこと。結果より仮定が大切である。』と道元禅師様は示されている。