ドント焼き「左義長」と団子さし「繭玉飾り」

平成十九年一月十五日於加茂法話会

 

一、 賽の神まつり(どんと焼き) さぎちゃう【三毬杖・左義長】

 小正月に行われる「火祭り」竹、藁、杉、松、豆がらなどで作った、やぐらや小屋に火を付けて燃やし、神様を空に送る行事である。正月の飾りなどを燃やす、その火で餅やするめを焼いて食べると一年無病息災で過ごせるという。  三毬杖陰暦正月に行う火祭りの行事。「毬杖(ぎつちょう・槌の形をした杖に色糸を巻きつけて飾った遊び道具、特に正月の遊び、玉打ち)」を三本立てたことによるという。宮中では、正月十五日および十八日に清涼殿の南庭に青竹を三本束ね立て、天皇の書き初めや短冊・扇子などを結びつけ、陰陽師などに歌いはやさせて焼く。民間では、多くは十五日に長い竹を数本立てて、門松・しめ縄・書き初めなどを持ち寄って焼く。その火にあぶった餠を食べると病気にかからないという。どんど「さぎちゃう」とも《日本語での特別な意味》陰暦一月十五日に宮中で行われた悪魔を払う。火祭りの儀式。▽民間で行われる「どんど」に伝承されている。《同義語》左義長どんと(尊さ)、法成就(ほうじょうじゅ)「穂出やれ」左義長(さぎちょう)古い信仰で、正月と盆は荒々しい霊魂を追い退ける目的で火祭りを行う。その起源は中国の爆竹。名義に関する事、後漢の明帝の永平十四年(七十一年)佛教と道教の優劣を競い、右に道教左の仏教の経典を於い焼いた所道教は灰に仏教は燃えなかった左の義(正義・よい)長ぜり(優れている) さぎちょう

 徒然草「法成就の池にこそとはやすは神泉苑の池をいう」左義長のはやし言葉トウドヤトウド(尊や尊)これは三毬杖が行われた神泉苑の池で、昔弘法大師が雨を祈って法力を顕したものである。

 火、爆竹の音、竹の割れる音、荒々しい霊魂を追い払う優れたこと(ドンと尊い)祭り。

 

二、 団子さし「繭玉飾り」小正月の伝統行事である。みず木は小正月頃に赤くなる。一年無事息災を祈って十二本枝をもちいる所がある。

みずの木枝に新芽を欠いてそこに上新粉で練って丸めて 団子を刺す。もち米で出来た鶴亀、宝船、鯛、米俵、恵比寿、千両箱、大判小判などを飾り、豊作、家内安全、無病息災を祈る。

昔弥勒の世に飢饉があって食うものに困った時、山に行くと山の木に団子がついていたのでそれを食べて飢饉をのがれた。

 繭玉をドンとの火であぶり食べる所もある。雑煮に入れて食べる、小豆で食べる。もち花を食べるのは収穫を願う。繭、養蚕つまり豊作、魔除け祈願の行事である。

 

正壽寺住職定明合掌