リリアン探検隊
「祐巳、今年の劇の主役は、確かあなたと祐麒さんだったわよね?」
「劇場版の仮面ライダー剣は、カリスがラウズカード使用しないでスピニングアタックしていたと記憶していますが」
それだけではない。ミッシング・エースは酷かった。
レンゲルがブリザードだけでブリザードクラッシュを行い、ブレイドがライトニングソニックを放つ時でさえ、
ブレイドの背中に3枚のラウズカードが展開される演出がなかった。
ジャックフォームでブレイドは、サンダーとスラッシュによるライトニングスラッシュを行う時でも、背後にカードが現れる演出だ。
前まで2枚の時は青白い四角形が、ライダーの胸に刻み込まれるだけだったのに。
さてさて、福沢祐巳は今現在目の前にいる自分の姉の質問をさらりと受け流し、午後のお茶を楽しんでいた。
「祐巳、私の質問にあのヘンテコライダーの話を出さないで頂戴」
「バカなっ! 確かに当初は聞き取れない単語がありましたが、今は改善されているあの作品を汚すのですか!?」
祐巳は自身の姉である、小笠原祥子に反論した。
小笠原祥子。小笠原グループ会長の孫娘である生粋のお嬢様。
どこかのナイチチお嬢様よりも胸があり、某セイバーのようなアホ毛もある。
彼女を一言で示すのならば、癇癪球、ヒステリー、冷血女。
数え上げたら黄理……ではない、キリがないほどである。
ちなみに黄理というのは七夜黄理の事であり、遠野志貴の父親というのは皆様ご存知であろう。
聞き取れない単語。世間一般では「オンドゥル語」として広く心の奥に刻み込まれている。
作者が好きなのは「ケッチャコ」である。
「それにヘンテコライダーだなんて横暴です! 確かに私はスクイッドオルフェノクに似ていると思いましたが何か問題でも?」
と、某漫才師のようなフレーズを語尾に置き、更に祐巳は激しい反論を祥子にぶつけた。
その様子はクエスチョン・タイム時の、与党と野党の凄まじい罵詈雑言が響きあう国会。
無能、低脳、お前ら本気でやる気あるのか?
最近の日本国民に政治無関心層が増えてきたのも無理はない。
「ええ問題はあるわよ! どうして仮面ライダーと今年の学園祭での劇が関係あるわけ!?」
「別にどうだっていいでしょう! 作者は私の妹を可南子ちゃんに仕向けるよう、そう仕組むのですから!」
特別でないただの一日。
果たして、どんな一日になるのだろうか。
「何? あなたは未来視でも持っているというの!?」
「あんな能力は私に必要ありません。私の所持スキルは空想具現化と固有結界です」
そりゃ嘘だろ。と言いそうになったのは支倉令と島津由乃、それに藤堂志摩子に二条乃梨子だった。
ここの場所は山百合会の薔薇の館。学園祭に向けての劇の会議のために召集されたのだが、いざ来てみると紅薔薇姉妹が口論していた。
空想具現化。
自身の意思を世界と直結させることによって頭に思い描いたものを物質化、具現化してしまうというとんでもない能力。
「ゆ、祐巳さんって…」
恐る恐る由乃が祐巳に言いかけた。
返事はすぐに返ってきた。
「ええ、欠落した死徒二十七祖の10番を埋めるのはこの私です」
「嘘こけ」
由乃は祐巳に聴こえないように呟いた。
そう、空想具現化を使えるのは吸血鬼のみである。だから祐巳はそう言った。
「祐巳さまがもしも吸血鬼ではなくてもしても、魔術師ならば固有結界は使えますね」
「それは、祐巳ちゃんが優秀な魔術師だったら、でしょ?」
乃梨子が言い、令が言った。
固有結界というのは、空想具現化の亜種である。
自身の心象世界を形にして、現実に侵食させる世界干渉。
具体的には数多の事象が発生し、『確率』に干渉させることによって、本来ありえざる事象を強引に発生させていると考えられている。
本来は精霊や悪魔だけが使える能力だったが、現在では高度の魔術師たちも使うことができるようになっている。
しかし精霊や悪魔以外の存在が固有結界を作ると、自然が修正をかけてくるため、長い時間は維持することはできない。
「とにかく、祥子も祐巳ちゃんも落ち着いて、ね? あの能力は江利子さまが持ってるから」
アルクェイド・ブリュンスタッドの声優は鳥居江利子。
遠野秋葉の声優は支倉令。
琥珀の声優は福沢祐巳である。
「……わかったわ、令が言うなら…」
「わかりました。令さまが仰るのなら」
祥子は祐巳の方を見た。と、そこにはいつもどおりのニコニコ百面相の祐巳がいた。
何だこれは? 私の妹は令の言葉には従うと?
「お姉さま、あんまり変な事考えている禿げますよ」
「なっ!」
最近、妹の様子がおかしい…。
そんな時どうすればいいの? 教えて知得留先生!
「バカやってないでとっとと本題に移るわよ。それで、今回の劇の話だけど…」
「雪月澄乃の好物は肉まんではなく、あんまんだと記憶していますが」
「誰がKanonの二番煎じの作品の話をしろと言ったかしら祐巳」
「うぐぅではなく、えぅ〜だと――――」
「だからその話はやめなさい!」
「十賢者はバブルローションで即死させるのが一番だと」
「どーでもええわその話!」
「反魂蝶 −参分咲−は60秒間避けきったら勝ちです」
「今度は東方妖々夢かい!」
あれは夏に発売されたような……。
十賢者は…確かにあれを使うと運が良ければ瞬殺できる。メテオもびっくりな効果だ。
東方妖々夢はクリスタライズシルバーが好きです。
えーい話がそれた。今回、山百合会が出す劇は「とりかえばや物語」
詳細が知りたい方は広辞苑でどーぞ♪
去年と同じく、山百合会は学園祭で劇をやることになった。
前回はシンデレラ。特別ゲストとして王子役として花寺学院からサンダルフォン柏木優が出演していた。
「前は衣装に力入れてたよね。確か黄金剣翼突撃勲章とか」
「つけてないから」
由乃が「えー」とか言っている。この前やっていたゲームの影響かと令は思った。
乃梨子は志摩子に「何ですかそれ?」と聞き、志摩子は「敵を150機撃墜するともらえるのよ」と言った。
「剣つき柏葉騎士十字章だっけ?」
「だから……それに何でナチス?」
「あら知らないの令ちゃん。ドイツの科学力はせかいいち〜!」
「ダメだこりゃ。次行ってみよ〜」
ここで頭を抱えたのは祥子だった。
ああ、どうしてこんなにも山百合会は、バカばっかなのだろうか。
「そうだ。劇じゃなくてショートコントは」
「却下」
「うぐぅ」
突然乃梨子はそんなことを言い出した。祥子は速攻で却下する。
皇帝はいつも冷酷でいなければならないのである。
「そんなっ! 息子さんを死刑にするのはやめてください!」
「って祐巳。何も言ってないでしょ! それにエリザベートなんて誰も知らないわよ!」
「誰も知らない素顔のさ〜ち〜こ〜♪」
「そこっ! 凸の妹! 変な歌を歌うな! …ってそこ! ひそひそしない!」
変な歌を歌ったのは令ちゃん。ひそひそしたのは白薔薇姉妹である。
「でも、乃梨子ちゃんの案はいいんじゃない?」
と言ったのは祐巳だった。
「祐巳……。どうして劇なのにコントなのかしら?」
「つまらない劇をやったってつまらないんです。パンがなければお菓子を食べればいいんです」
そう言ったのはマリー・アントワネットだっただろうか。
「でも、コントと言ったって…」
「あ、あれですお姉さま! あれをやるんです!」
「わかったわ乃梨子。あれね!」
(って。既に用意しとるんかい)
心の中で呟く由乃だった。
さて、二条乃梨子と藤堂志摩子は立ち上がり、それを見るのは祥子祐巳令由乃の4人である。
乃梨子は志摩子の方を向き、志摩子の左肩に両手を載せる。
「「「「?」」」」
始まりはそこからだった。
「「ドゥドゥビドゥビドゥバ、はい! はい! はいはいはい!!!」」
乃梨子は独特の動きを行い、両手両手を高く振り上げ、
「「リリアン探検隊♪ リリアン探検隊♪」
と叫んだのであった。
「百面相が、止まりません♪」
「「はい! はい! はいはいはい!!!
リリアン探検隊♪ リリアン探検隊♪」
と、そこで二人は演技を止めた。
「と、こんなふうにですね」
「誰がレギュラーの真似をしろと言ったの?」
「ひぃぃっ! 鬼がぁ! リベル・レギスが私をいぢめるよ〜」
「何故にデモンベイン?」
「あーよしよし乃梨子。口裂け女にいぢめられたのね」
「誰がくちさ―――――」
とまあ、そんなこんながありまして。
「待ちに待った時が来たのだ。
多くの英霊が…無駄死にで無かったことの証の為に!
再びリリアンの理想を掲げる為に、星の屑成就の為に!
山百合会よ! 私は還ってきた―――っ!!!!!」
「何やっとるんですか。蓉子さま」
と、そこに現れたのは水野蓉子だった。
詳しい事は原作をお読みくだせぇ。
「何って…様子を見に。スイカは嫌いかな?」
「大総統閣下ですかあなたは」
福沢祐巳が突っ込みをいれたのは間違いない。
「そう。劇の話し合いをね」
「ええそうなんです蓉子さま。それが何の因果か、令さまが赤主・檻髪や赫訳・紅葉を、
お姉さまはインフィニティ・シリンダーを」
「嘘をつくのはいけないわよ」
「嘘じゃないですよ」と祐巳は言った。
「祥子の暴走はよしとして。まさか令まで暴れるとはね…。山百合会も元気になったものね」
「えっ? どういう意味ですか?」
祐巳は蓉子に問うた。
「私ね。ずっと思ってたのよ。祥子や令がそれぞれ紅薔薇さまや黄薔薇さまのプレッシャーに負けてるとか思っちゃってね。
確かに私や江利子だってなりたての時はそうだったけど。…志摩子は良くやってるわね、うん」
「な、何の事ですか?」
「祐巳ちゃんも頑張ってね。私から言えるのはそれくらい」
「よ、…蓉子さま」
と、祐巳が何か言いかけたその時だった。
「ステキな紅薔薇さまになるのは…もうちょっと先かな…?
バーイ、祐巳ちゃん。どっかの片田舎で出会える日を…。
楽しみにしているわ。」
「それ、蒼崎青子……」
はてさて、水野蓉子さまは何処かへと行ってしまった。
しかし、祐巳は彼女の謎めいた言葉を胸に、立派に山百合会の明日を担うことを誓うのでした。
「って、本編と趣旨が違うやないかボケ―――――っ!!!」
気のせいです。
<あとがきみたいなもの>
なんだろう……この話。
どうも、月影蓮哉でございます。
今回はマリみての謎壊れ馬鹿ギャグ話。ここまで読んでくれた方、本気でありがとうございます。
えー、月影蓮哉は本気で人を笑わせる話を作るのが苦手でして。
よく漫才師とかはよくネタを作れるなぁと思っています。
売れてくると漫才作家さんがネタを作ってくれるそうなんですが、売れるまでの道のりのネタは自分達で作ってるんですよね。
それまで、よく笑いまでの道筋をつなげられると私は思います。
そして、こんなネタの短編を思いついたのも理由があるんです。
ええ、文化祭で違うクラスがショートコントをやっていまして、一部内容にあるある探検隊が含まれていまして。
ああ、マリみてでそれやってみよう。志摩子さんと乃梨子で。…ってなったんですね。
自分では笑までの道筋は………まあ普通ですかね。正直微妙です。
そのような意味を込めて、笑いのネタを作れる人って尊敬します。
ではでは、あとがきはここまでにして。
また次回、別の話でお会いいたしましょう。