すぱいらるSSS


放課後…… そのいち

他の生徒がクラブなどに励んでいる中を、この学園の一年、鳴海歩はその風景を興味無さげに
見ながら校庭を横切った。彼の頭の中にある事はといえば、今日の晩御飯は何にするかという
事だけであろう。もちろん、この学校の帰りに晩御飯の食材を買って帰るのだが…。その時、
彼の思考を遮るように彼の名前を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると一人の女子生徒が軽い駆け足で
走って来るのが見えた。美少女と言っても過言では無い容姿の持ち主である女子生徒、白長谷
小夜子だった。
「歩さん、一緒に帰りませんか?」
「ああ、別に良いがスーパーに寄って帰るぞ。晩御飯の食材を買って帰らないといけないからな」
「ええ、いいですよ」
二人は揃って校門を出て行った。

「今日、そちらで晩御飯をご馳走になっても構いませんか?」
「ん、ああ、別に良いが…良いのか?」
「はい、今日は皆さん出かけるので、一人で食事をするつもりだったんです」
「そうか…」
歩はそういうと、二人分の食材を三人分に増やした。支払いも済ませ、二人は歩の家に向かって
歩き始めた。人気の無い所になると、二人は初めて恋人同士らしい行動を取るのだ。周りを
確認し、人が居ない事が分かると、小夜子は彼の荷物を持っていない方の腕に自分の腕を絡めた。
歩はその行動に一瞬、驚いた表情を見せ、歩みも止まったがすぐに何時もの表情に戻り、何事も
無かったかのように再度、歩き始めた。彼らの前には二人の影が仲良く重なっていた。


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