〜ブレードチルドレンについて〜

〜その一・ブレードチルドレン一般見解〜
ブレードチルドレン。その事を話すにはまず一つの事件について知った方が良いだろう。
これは一般社会とは半秘密裏に起きていた事で、その全貌を知るものは当事者達以外
殆どいない。
ブレードチルドレン。呪われし子供たち。あがないの時を待つ者。
彼らは、全般的に知能が高く、何らかに秀でている者が多い。
そして、生まれついての穢れた手を持っている。
ゆえに、犯罪という事の近くにいるのはある意味必然なのかもしれない。
これは、そんな彼らに起きた出来事である。

ブレードチルドレンは、主に二つに分けられる。
『セイバー』と『ハンター』。ハンターは全てのブレードチルドレンを狩る者。
セイバーは、それに組さずに抵抗してきたもの立ちだ。
ハンターは、なにもブレチルだけではなく、彼らを危険視する人物もそこにはいる。
彼らは、長い間その二つに分かれて争い続けていた。
そして、そこに第三の存在が入ってくる。
それをただ傍観するもの、『ウォッチャー』。
ウォッチャーは何もしない。ただ、ブレチル同士がそれぞれ殺しあっていてもただ
それを眺めているだけだ。
彼らは『月臣学園』という『檻』を造って、彼らをそこに閉じ込めた。
観察しやすくするために。
今になっては、理由は殆どわからない。
ただ、そういう構図が出来上がっていた。

そして、それから暫らくして、第一の運命の転換期となる男、『鳴海清隆』が手を出した。
彼がどう思惑で動いたのか、それは彼のみが知ることだ。
ただ、彼ではどうしようもない事でもあった。
ブレードチルドレンは、神の手にも余る存在であった。
いや、もしくは何とかできた可能性もある。しかし、あえてそれをしていないので、
やはり手に余る存在であったという事だ。
そして、彼はこの事件を弟の「鳴海 歩」に託した。
いや、託したというのは正しくないかもしれない。
『神に似て、神とは違うもの』、鳴海 歩の成長に、ブレチルを使った。
その後、色々な経緯を交えて、彼は神の思惑通り、神と悪魔の編んだ運命を
切り裂いた。
かなり概略したが、これが事件の全貌である。


〜その二・ブレードチルドレンの真相〜
以上が、ブレードチルドレンの『一般見解』である。
しかし、真の真相はまた別にある。ウォッチャーも、ほかの者も、いわば形見に当たるものを
勝手に利用していたに過ぎない。
それを知るのは、極一部のブレチルと、鳴海清隆、鳴海歩、そして隠れた見解者としての
結崎ひよののみである。

『ブレードチルドレン』。彼らの運命は人の手によって造られた。
それは確かだ。
某県、某市の某病院のとある研究所。
その実験の一つが、ブレードチルドレンだった。
実験の内容は、「能力者回路を組み込んだ、放置型成長の実験」。
『戦う刃を持つ子供達』。それが、ブレードチルドレンの語源である。
その語源を知るものも、もう殆ど死んでいる。
ある2人の男のせいで。

1人は、陣内啓吾と言う。
彼は、その実験をしていた研究所をつぶした男だ。
香港特防隊の人物であり、とある寮の管理人でもあったという、なんとも複雑な人物だ。
その男の手により、研究所のやっている事がバレ、警官達等のメスが入りその研究所は
解体された。今は、とある病状を持つもの達の良きパートナーとなっている。

二人目は、『ガン ウィズ ウィング』と呼ばれた有名なブレチル、カノン・ヒルベルト。
彼は、事件の途中でウォッチャーたちの上層部を片っ端から制裁していった。
正当防衛ということで捕まりはしなかったが。


話を戻そう。
その研究所は、いわゆる『戦争屋』だった。
異能者を作り上げ、それを国相手に売り飛ばす。
能力者、高機能障害者など、一般では太刀打ちできない人物を揃えて。
研究はかなりの段階まで進んだ。
事実、すでに実用段階まで上がっており、あと少しで計画は実行される所だった。
だが、色々な偶然と運命によって、それは阻止された。
そして、そのまま放置されたままになったのがブレードチルドレンである。