ランボオ詩集 小林秀雄訳 東京創元社 1972
ランボーとヴェルレーヌの奇妙な友情をテーマにした映画「太陽と月に背いて」
でデカプリオが演じたランボーは私にとっての想像上のランボー像をそのままに
描き出していて俳優はランボーになりきっていた。ヴェルレーヌを演じた名優デ
ビッド・シューリスもあのもの凄い詩人の生活(通常の生活といえるのかどうか)
を見せてくれた。日常をこえた生き方はそれこそチョー平凡人である私には夢に
も真似ができないだけに昔から尊敬とあこがれの的なのである。ランボーが詩を棄てた後のあ
しどりを追うと、その意志の強さと人間性とはその文学にまさって人を引きつけるものがある。
ランボーの詩の翻訳はじつに数多く、フランス語が読めない私にはどれがいちばんよくラン
ボーの肉声を伝えているか分からないけれど、最初にランボーの詩をこの訳で読んだ者として
は特別の親しみがある。ランボオという表記にも一種の魅力があったことも事実である。。
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