宮沢賢治 日本詩人全集 20 新潮社 1967
その詩の独特な語法がひとつの魅力で読み返すたびに日本語のリズム
の美しさを感じます。しかし、日常セリフや原稿を読む人が職業的な気
取りやヘンに過剰な感情移入をして朗読するのを聞くと宮沢賢治の魅力
は半減します。流れるように読もうが、とつとつと読もうがどっちでも
いいじゃないかと思うのです。むろん、この詩人に抱く読者のイメージ
というものは百人いれば百通りあるわけなので、宮沢賢治の正しい読み
方や朗読の仕方はどれだけ「イーハトーヴ」の世界に自分を溶け込ませ
たかにあるのです。そして、ひとたびイーハトーヴ人となったと感じたらそこに生き続
けることです。私はそう思う。
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