ゆきゆきて神軍 原一男・疾走プロダクション編著 話の特集 1987
この本を古本店で見つけた時は正直うれしかった。ドキュメンタリー映画「ゆきゆき
て神軍」の監督が製作ノートを本にしているなんて考えてもみなかったからです。神軍
平等兵と自ら名乗った奥崎謙三氏の飽くなき闘争を撮った映画も衝撃そのものだったけ
れど、その製作のウラにその何倍もの衝撃的(この言葉はありきたりで弱い)な事実が
あったことを知らされて、ますますあの映画の価値の重さを認識したのでした。奥崎謙
三その人についてはとても理解の射程にも入り込めない凄さがあって、簡単に近付けな
いものがあります。彼は、責任を追及されて自分が絶対にその責めを負うべき人間が存在する以上、
しかも誰もそれ(追求する行為)をしないのならば自分がやる、という強烈な意志と実践を見せつけ
るのです。グズグズと行動を先延ばしにすることを彼は絶対に許さないのです。
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