
完訳パンセ パスカル 田辺 保訳 角川文庫 1961
ブレーズ・パスカル(1623−1662)
この本を格言集または箴言集として読むことも可能であるし、実際、その鋭い人間観
察から発せられる言葉は人をしばし内省の深みへと導くことはたしかである。
パンセは十七世紀フランスの数学者であって思想家でもあるパスカルが晩年、病床に
あって書きつづったキリスト教護教論の膨大な草稿メモ(断章)を後の人が苦心して編
集したものであることは広く知られている。いろいろな人がその著書の中で引用してい
るのを見る。最近もある著名な先生の書いた聖書の入門書の中でいくつか引用してあっ
たが、それがパンセのどの断章からのものか明記してなかったので前後の文脈がわから
ず、なぜこの本のこの部分でパスカルのこの言葉が引用されるのか理解に苦しんでしま
った。
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