
歎異抄講話 暁烏 敏 講談社学術文庫 1983
浄土真宗の開祖である親鸞聖人は庶民に噛んで含めるようにして仏の救いを説いた。
それがある時期その真意が誤り解されるおそれありとして封印されてしまって人々の目
にも止まらず、耳にも入らなくなって久しかったのを明治の近代精神の洗礼と個の覚醒
の問題に直面した時、この歎異抄が清沢満之、暁烏敏によって再び甦らされ人々の心に
大きな支えを与えた。以後、歎異抄はさまざまな視点から読まれてきたが、それらはす
べて暁烏敏のこの謙抑で温和な講話にその源を発している。
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