マルコ福音書(現代新約注解全書) 田川健三著 新教出版社 1972
著者自身が述べているこの本の成立過程をみると、最初は上原教会で
60年代半ばから後半にかけての水曜集会で毎週連続講義を行った草稿
が土台となっており、牧師の赤岩栄牧師の亡くなられた後、教会の発行
している雑誌「指」に連載されたものに手を入れ、専門的な議論と註を
書き加えたものであるとあります。田川健三先生のごく最近の著作であ
る「書物としての新約聖書」を読んでも分かるように、単に護教的な目
的のためだけに聖書を解説したり、註解をほどこしたりすることがほん
とうに地上に生きたイエスを伝えるものではないことを一貫して、熱い
口調で語りかけておられます。赤岩栄牧師が生涯をかけて追求された問
題、生きたイエスとイエスの言葉に耳を傾けた生きた民衆を真の姿を描
き出すこと、それを求めて師よりももっと烈しく歴史の真実をえぐり出
そうとしておられるのです。この年月を経て全3巻はまだ完結していま
せん。
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