
日本切支丹宗門史 上 レオン・パジェス 吉田小五郎訳 岩波文庫 1983 初1938
レオン・パジェス(1814−1886)著者の伝記的詳細はよく分からない。一時在清フラ
ンス公使館に勤務していたことがあるらしい。その頃、ザベリオ(フランシスコ・シャ
ビエル)に関心をもちその書簡集を翻訳することがあって日本に強い興味を抱いたもの
らしい。日本研究の一権威であったと言える。膨大な日本帝国史をあらわしたが、四巻
本と言われるその中の第三巻だけが公刊された。それがこの切支丹宗門史であるという。
日本切支丹宗門史であれば初めてキリスト教を日本に伝えたシャビエルの事跡から書
かれているのは当然であるが、公刊されたのは内府すなわち徳川家康が実質的に権力を
得た1598年からの記述になっている。
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