
筑摩世界文学大系 75 ドス・パソス スタインベック 筑摩書房 1974
ジョン・ロデリゴ・ドス・パソス(1896−1970)
ジョン・アーネスト・スタインベック(1902−1968)
ドス・パソスの「U.S.A」三部作の中の第一部に相当する「北緯四十二度線」
とスタインベックの「おけら部落」「二十日鼠と人間」「贈り物」を収載する巻で
ある。どれも1930年代の作品ということにも意味があるのかもしれない。スタイン
ベックの短編「贈り物」は少年と小馬とをめぐる物語。父からの贈り物である小馬
を世話する少年が思いがけず小馬の死を目の当たりにして生の現実に目覚めていく
ストーリーは誰にも共感できるものがあり、心に沁みるものがある。
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