
現代キリスト教思想叢書 9 バルト・ゴルヴィツァー 白水社 1974
第二次大戦中に反ナチの精神的支柱となる告白教会ドイツ各地にできた。ベル
リンの一つの教区で指導的立場にいたニーメラーが逮捕された後を受けて若いゴ
ルヴィツァーは全力を尽くして真の福音を説いた。当然ナチに囚われる身となり、
徴兵されてチェコ戦線で敗戦を迎え、ソヴェト軍の捕虜となって五年ものあいだ
強制収容所での苛酷な体験をしなければならなかった。この巻に収められた「俘
虜記」はそこでの数々の体験を通して文字どおりの福音の力を見出して行った記
録である。ふたたび混沌とした時代の様相を見せる今日に生きる人々に力を与え
る書である。
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