
現代キリスト教思想叢書 1 シュライエルマッハー・リッチュル 白水社 1974
シュライエルマッハーが1810年の聖霊降臨節に行った説教が目の前の聴衆に
向かって語られたものだけにその著作物に見られるむやみに晦渋な表現を使われて
いない。いわば口語体で語りかけるのである。言葉は耳で聞いて解ることがどれだ
け大事なことであるかの見本のようでさえある。そこには文章語がとうてい及ばな
い言葉の力がある。イエスが語られたのは文字として読まれる言葉ではなく民衆の
耳から入った言葉であったことがその力の源泉なのではないだろうか。
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