
現代キリスト教思想叢書 3 ニューマン・チェスタトン・エリオット 白水社 1973
修辞法のきびしい訓練を受けるとこのような文章を書くことが出来るのかと、い
うのが、この巻の著作を読んでの率直な感想である。内容よりもその文体、叙述の
方法に関心をひかれて論点がつかめないのである。訳者の方々の努力にかかわらず、
しかも原文が正確に訳されているだろうにもかかわわずどこか原文の訴えるものと
どこか違うものを私たちは読んでいるのではないか、というのが率直な印象である。
そんなふうに覚悟をきめて読み直す時、文章を楽しめるのがチェスタトンの「正統
思想」である。
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