
ペテルブルクの夢想家(評伝ドストエフスキイ 1) 志水速雄 筑摩書房 1972
ドストエフスキイの評伝三部作のうちの第一巻である。ドストエフスキイの出自に
ついては文豪の娘であるエーメ・ドストエーフスカヤが書いた伝記によって古いリト
ワニアの貴族にさかのぼると言われる。ロシア人とリトワニア人が人種または民族的
にどういう関係にあるかよく知らないが、同じスラブの血が流れいる同族と言ってい
いのではないかと思うがドストエフスキイの伝記ではよく問題になる。そんなことも
含めてこの巻では幼少時代から文壇への登場、政治的結社にかかわる事件で死刑を宣
告され、恩赦を得てシベリア流刑になるまでが詳細に書かれている。
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