
現代キリスト教思想叢書 13(ラーナー・グァルディーニ) 白水社 1974
カトリック神学というものが世界のキリスト教徒の大きな部分に強力な指導性を持
っていることは事実である。ラーナー、グァルディーニの名はあまり口にする人もい
ないし、ましてその著作や思想について語る人もいない。少なくとも私の周辺では。
庶民にとってキリストは身近な慰め手であり、励まし手であるが、学者がキリストを
語り始めるとキリスト信仰は深遠な思想と化してしまう。多言を費やし、難解な弁証
法でキリストを論じているところに生きたイエスは存在する余地がないように思われ
てならない。
|