
平和の思想(戦後日本思想大系 4) 筑摩書房 1968
この本が出てからすでに30年以上の歳月が過ぎた。ソヴェト国家の瓦解によって
社会主義諸国といわゆる自由主義陣営との対立による冷戦が消滅したかのような幻想
がわれわれを欺く中、平和を脅かす国際間の要因はますます深刻複雑になり、挑発や
報復の手段はますます過激になった。本文中に実に的確に指摘されている文章の中に
「世の中では平和を守ると言っているが、これが平和とは彼らは思っていないのであ
る。彼らは平和をつくると言う」という意味の言葉がある。頭をガンとなぐられるよ
うな言葉である。
T 戦争の追体験、U 平和の構想、V 戦後、平和運動の遺産 こうした構成で学者、
ジャーナリスト、作家、一般市民などさまざまな分野の人々の文が集められている。
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