
河上徹太郎著作集 3(ジッド・ドストエフスキー) 新潮社 1982
河上徹太郎(1902−1980)
この本は古本店で見つけて買った。ジッド(普通はアンドレ・ジイドという表
記されるフランスのノーベル賞作家のことだが、この人はジッドという)とドス
トエフスキーについての評論を主とした巻であって、それはそれで読み応えのあ
る内容だけれども、比較的短い文章の「シェストフ」が今読み返してみていろい
ろ考えさせられ、腑に落ちるところが多い。それが書かれたのが1949年という既
に半世紀以上も前になるのに何か現在の世相の源がどこにあったのかを解らせる
ようなことが述べられているのである。
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