
ATD旧約聖書註解 19(イザヤ書 40-66) ATD・NTD聖書註解刊行会 1997
旧約聖書中の預言書と呼ばれるもののうちで最も長大な文書、イザヤ書は
全体を預言者イザヤの名を冠しているが実際の著者は複数の人の手になるも
のである。この巻では通常第二イザヤ、第三イザヤと呼ばれる預言の書であ
り、この書の背景には年代の違いと共に被征服民の苦難と希望との入り混じ
る複雑な事情が横たわっている。一種の歴史書の性格をも帯びているのであ
り、詳細に読んでいくとイスラエル民族史においては歴史の推移は神の視野
の中に見据えられた必然であることを悟らされるのである。
クラウス・ヴェスターマン著 頓所 正・山本尚子訳
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