
エゼキエル書(ATD旧約聖書註解 22) ATD・NTD聖書註解刊行会 1998
エゼキエル書は旧約聖書中の奇書であると思う。図像的イメージで現実世界と異
世界とを表そうとしているのである。古代イスラエル民族が身を置いていた歴史的
情況がこのような奇異なイメージで神の言葉を表現させたのであろうけれども、繰
り返し執拗に間接的預言の方法で語りかけるのである。このように暗号のような言
葉で民を導いた預言者とは不気味でさえある。エゼキエル書が何か特別に深い意味
を含んだメッセージを諸時代に投げかけていると言う解釈や主張を生むのも当然で
ある。信仰的な解釈はともかく奇書である。
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