
イエス 八木誠一 清水書院 1988初1968
田川健三、滝沢克己という人たちとともに良心的な(あるいは理性的なというべき
か)キリスト教徒の一人である著者がはしがきで言っているが、私たちはイエスの
言葉に接して生活の現実をみつめ、その現実の深みからもう一度イエスの言葉の意
味を理解することが何よりも求められるのである。著者はそのような立場、姿勢で
この本を書いたと述べている。新書叛のページ数も少ない本であるけれども福音書
がイエスの言葉と生と死をどのような立場で、またどのような宣教的目的で著述し
たかを考えながら読むことで信仰上の神としてのイエス以前の人間として生きる範
を自らの生涯を通して示した意味を理解を深めることができると言うのである。
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