
使徒行伝 上(現代新約註解全書) 荒井 献 新教出版社 1977
使徒行伝、この呼称は何やら古めかしいひびきがある。最近の新しい翻訳で出た聖
書では使徒言行録またはもっと簡略に使徒行録としてあるものもある。もっと分かり
やすいと思うのは「初代教会の働き」と呼んでいるものである。師であるイエスが十
字架上で死を遂げると使徒と呼ばれるキリストの弟子たちが活動を開始する。もっと
も、彼らとてやはり予期しない出来事に遭遇して一時は茫然自失の状態にあったので
あるが、いわゆる聖霊の火を浴びることによって真の信仰に目覚めるのである。使徒
行伝は主としてキリストの直弟子であるペテロの行跡とキリスト死後の弟子ともいう
べきパウロの事績とを中心に初期キリスト教会の活動が述べられている。
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