
ルカ文書 ルカによる福音書・使徒行伝(新約聖書 U) 岩波書店 1998 初1995
すでにある多くの翻訳に加えて新たな翻訳を提示するにはそこに固有の意義を自ら
認めるのであることは当然であり、このシリーズでもそのことを明言している。その
固有の意義をいくつか述べている中に気になる言葉がある。それは日本聖書協会の新
共同訳聖書について「その画期的なエキュメニカルな共同作業にもかかわらず、重要
ないくつかの個所において、カトリック神学の影響を強くにじませていること」云々
とある。それが、どこを指すのかは知らないが、もしそうなら詳細に比較して読んで
みたいものである。とは言うものの、このシリーズの理念のそうした高さにもかかわ
らず文体が固く、いささかぎこちないように思うのは自分だけだろうか?
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