
日本教会史 上(大航海時代叢書 ] ) 岩波書店 1970
ジョアン・ロドリーゲス(1561−1634)
下巻も七〇〇頁にのぼる大冊である。前半三分の一弱を日本の学芸、天文学等につ
いて詳細に述べた後、残りのページはかのフランシスコ・シャビエル(ザビエル)の
鹿児島上陸によってキリスト教の教えが日本人にはじめて伝えられ、一六二四年の現
在までの布教活動について述べる。時に日本国内は戦国時代のただ中であり民衆は戦乱
の中で塗炭の苦しみに遇っていた。山口の大内義隆の保護を受けて大いに力を得たもの
の、間もなく大内家の突然の滅亡に遇って有力な拠点を失うことになる。そうした中で
シャビエルはシナ(中国)伝道の使命を果たすべく日本を離れるのである。やがて信長
の勃興と滅亡、短い秀吉政権の後に徳川幕府の治世となって移って行き、キリシタンと
呼ばれたキリスト教徒たちの運命の変転がはじまる。
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