
アウグスティヌス・ボエティウス(世界古典文学全集 26) 筑摩書房 1966
アウグスティヌス(354−430) ボエティウス(480?−524)
「告白」を読むとアウグスティヌスは若い頃はマニ教というカトリックから見ると
キリストの救いからほど遠い異教に熱心だったようである。母モニカがキリスト教徒
であったので幼い頃からキリストの教えを母から教えられることはあったらしい。こ
の本には何編かの作品が収載されているが、「告白」がもっとも世に知られているの
ではないだろうか。近代のルソーの告白録などに親しんでいるとアウグスティヌスの
ものは性格がまったく違うことに気付く。アウグスティヌスは古代の信仰者らしく神
に対する告白と感謝をつづっているのである。ボエティウスの作品は無実の罪で処刑
されるのを待つ牢獄の中で書いた「哲学の慰め」を収載。
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