
キルケゴール集(筑摩世界文学大系 32) 筑摩書房 1973
セーレン・キルケゴール(1813−1855)
和辻哲郎の初期の論文に「ゼーレン・キェルケゴール」というのがあって、全集
にも収録されていたので読んだことがある。キルケゴールの詳細な紹介の最初のも
のではないかと著者は書いていたように思う。「死に至る病」という本が岩波文庫
で早くから(むろん第2次大戦以前)出ていたらしく、古本を手に入れて読みふけ
ったが、提示される主題「絶望は罪である」がよく分からなかった。その後、アブ
ラハムがいけにえに息子を要求される物語(旧約聖書)による「おそれとおののき」
を読むことがあってはじめて少し理解が進んだように思っている。
|