
日本共産党の歴史と綱領を語る 不破哲三 新日本出版社 2000
この本は一般の読者向けのものとは性質をやや異にしていることは明らかである。
日本共産党の党員またはその同調者に対して党が抱えてきた、そして克服してきた
いくつかの問題についての解説といっていい。それらは党創立記念講演や国会の委
員会での質問を通じての党の立場のハッキリした定義と主張、理論雑誌「前衛」に
掲載された論文などである。戦前(半世紀以上も前に終わった戦争について戦前戦
後という表現がまだ使われることには異論があるが)の特高警察による共産党弾圧
の過程で起こった宮本謙治氏の事件について著者が国会の委員会で不当な中傷や言
いがかりに対して諄々とさとすように述べている記録は重要な文章である。