
イエズス会士日本通信 上
(新異国叢書 1) 雄松堂 1968
東洋の使徒と呼ばれるフランシスコ・ザビエルがはじめて鹿児島に上陸し、
日本の地を踏んだのが1549年である。この時から日本人はキリストの教
えに接してきた。時代は戦国の世に突入し武士階級はもとより、それ以外の
庶民の生活も戦乱の苦しみの中にあった。島国であることから戦争やクーデ
ターが起こるたびに多数の国内難民が出るのが常であった。ザビエルの後に
来日した多くの宣教師や改宗した日本人信者がそれらの人々と苦しみを共にし、また人々
を慰め助けるために献身的に活動した有様がこれらの書簡によってうかがうことができる。
後にフロイスによって書かれた「日本史」とともに苦難の時代を生きた日本人の姿を知る
上にも貴重な本といえる。