偉大なる生涯(八路軍軍医ノーマン・ベチューン) 東邦出版社 1966
カナダ人医師ノーマン・ベチューンの生涯をたどる貴重な一冊です。国際政治
の駆け引きに守られるような形で恥知らずなクーデターを強行するフランコの軍
隊とそれを支援するファシスト国家(共和政府の危機を傍観した各国もファシス
トと同列といってよい)の航空機による無差別爆撃が無辜の市民の生活をずたず
たにするのを知るとベチューンはすべてを抛って反ファシストの陣営に参加して
戦場での医療に献身するのです。ベチューンはスペイン内戦が共和政府側の敗北に終わった後、
抗日戦と蒋介石反動勢力の圧力とたたかう中国解放軍に身を投じ苦しむ隣人のために文字どお
り生命をささげたのでした。この本に序文を寄せた宋慶齢女史は「世界に対する広い理解は彼
の力の源泉でもあり、また同じ位に心をいたましめるような境遇をものともせずに活動したダ
ミアン神父とかラブラドールの医師グレンフェルなどの医学上の英雄の仕事に比べて、ベチュ
ーン博士の仕事はそれら以上に普遍的な意義があったのです」の述べています。
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