被差別部落のくらしから(1998)朝日新聞社
いわれなき差別という言い方をきくことがある。しかし、差別はあきらかに目
的意志をもってなされる。被差別部落の問題を教えられて分かってくるのは、多
くは権力を握った者とそれを取り巻いて特権をほしいままにしようとする連中が
考え出した悪質なシカケなのである。
人間社会に差別はつきもの、などとノー天気なことを口にする一群の人たちに
は差別される苦しみや痛みを感じ取る能力をまったく欠いているのであり、それ
も、その置かれた環境の中で知らずしらず学習してきた結果なのである。自分の
生活がその仕組みの中で快適でありさえすれば何の疑問も抱かない、そんないび
つな人間性を育てるわれわれの社会は何なんだ?謙虚に聞いて、考えて、学んで、
今までは単に「差別はいけない」程度に過ごしていた自分は、さて、これからど
う生きるか自分に問う。
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