Memory of Concorde

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今はもう、恐らく2度と飛ぶ姿を見ることが出来なくなってしまったコンコルド。
何度か日本にも飛来していましたが、私自身一度も飛ぶ姿を直接見れる機会がなく退役してしまいました。
しかし、空を飛ぶ姿を見ることは叶いませんでしたが、あの芸術の様な美しい機体には出会うことが出来ました。
その時の想い出を今、もう一度想い出して見ようと思います。

私が、初めてコンコルドを見たのは、1993年の6月でした。
場所はロンドン、ヒースロー国際空港。

当時は飛行機に乗って旅行をすることは好きでしたが、特に飛行機に興味があったわけではありません。
せいぜい「今日の飛行機はエンジンが4つ」とか、「通路が2つある」程度の区別しかできませんでした。
その程度の知識でも、コンコルドは別でした。子供の時から憧れの乗り物だったのです。

そんな憧れのコンコルドとの出会いは突然でした。

ロンドンに到着し、入国を済ませ、バスに乗って宿泊先のホテルへ向かう途中でした。
バスがヒースロー空港の脇を走っていくと、いきなり目の前にコンコルドが見えてきたのです。
それが駐機されているものなのか、展示されているものなのか、今はもう記憶が定かで無いのですが、
あの美しい機体が道路から見えるように停まっていたのです。
まるでその姿を誇らしげに見せるように、私の目に飛び込んできました。
バスはあっという間にコンコルドの脇を通り過ぎていきました。時間にしてわずか数秒の出来事でしたが 私にとって充分過ぎるほどの衝撃を受けた時間でした。
それからは、空港に近づく度にコンコルドがいないか探す羽目になりました。

しかし、その後コンコルドを見る機会に恵まれず旅は続きます。
ドイツ、スイス、フランスと旅行を続け、再びロンドンに戻るためにシャルルドゴール空港へ。

シャルルドゴール。
そうです、ここにもコンコルドがあるのです。
期待に胸を膨らませ、機会があれば外を見ていました。
エールフランスの多くの機体が空港の中を行き交っています。
目を皿のようにして出発直前まで探しました。飛行機に乗り空港を離れるまで探したのですが見つかりません。
恐らく時間的にタイミングが悪かったのでしょう。
エールフランスのコンコルドを見ることは叶いませんでした。

再びヒースローに戻ってきました。
コンコルドに出会える最後のチャンスです。
しかし帰りの便が出発するまで、ほんの数時間しかありません。
この頃には半分諦めもあり、土産物を買いに免税店に入ったり、食事をしたりと普通の旅行客に戻っていました。

出発の時間もせまり、再び12時間半のフライトに向け機内へ。
ここでトラブル発生、チェックインのコンピュータトラブルで出発の時間が遅れていきます。
しかし、これがラッキーの始まりでした。
1時間も機内で待たされている間、何もすることがなく窓から外を見ていました。
その時、遠くから明らかに他の機体とは違うモノがこちらに向かってくるのです。





そうです、コンコルドです。
まさか、旅の最後で再び見れるとは思いませんでした。
もっと近くまで来ないかと祈りつつ、シャッターを切り続けました。

コンコルドは少しずつこちらに向かってトーイングされてきます。
それを飛行機の小さな窓から追いかけました。
とうとう視界から外れ、諦めかかったその時、再びコンコルドは現れました。
それも私の乗っている機のすぐ脇を通り過ぎていくのです。
残念ながら飛行機の窓が汚れていた為、写真が少しボケています。




これほど美しい機体が他にあるでしょうか?
小さな頃から憧れていたコンコルドが目の前を通り過ぎていきます。
もし飛行機が定刻どおりの出発だったら、恐らく見ることは出来なかったでしょう。
この時ほど、出発が遅れて嬉しかったことはありません。

本当なら、コンコルドが飛び立つまで見届けたかったのですがそうもいかず。
トラブルも解消し、ヒースローを離れました。
しかし、最後に再びコンコルドに出会えて幸せでした。

美しい、本当に美しい飛行機でした。


British Airways Concorde G-BOAB